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小水力発電の採算評価簡単に 「試算シート」長野県が作成公開(信濃毎日)

2012-08-01 09:12:23

山梨県都留市の小水力発電
山梨県都留市の小水力発電


自然エネルギーの普及を目指す長野県は7日までに、小水力発電事業の採算性を判断するための「試算シート」を作成し、県ホームページで公表した。長野県内は全国有数の小水力発電の適地とされるが、初期投資が重く、持続的に発電事業を行うためには採算性の判断が鍵になる。県は今月から始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度も踏まえ、「積極的に事業の可能性を探ってほしい」(温暖化対策課)としている。

シートは表計算ソフトのエクセルを利用。事業者が、発電を想定する場所の使用水量や落差、出力などの基礎データに加え、売電単価や工事費用などを入力すると、損益計算書や貸借対照表が自動計算され、事業期間内の利益剰余金の推移などが試算できる。会計などの専門的な知識が必要だった採算性評価を簡単にできるのが特徴で、こうした試算シートを自治体が公開するのは珍しいという。

小水力発電設備は、設置先の水路の形状などに合わせて作る必要があり、通常は出力1キロワット当たり100万円以上かかるという。金融機関の融資審査を受けるためには、利益剰余金など事業の見通しが欠かせない。

再生可能エネルギーで発電した電気の買い取りを電力会社に義務付ける固定価格買い取り制度で、小水力は買い取り期間が20年間で、買い取り価格は1キロワット時当たり30円45銭~35円70銭とされた。

試算シートは、長野県ホームページの環境部温暖化対策課の所にある。

 

http://www.shinmai.co.jp/news/20120708/KT120706ATI090021000.php