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JXエネ・三洋、太陽電池の共同出資会社を清算 10月にも (各紙)

2012-08-22 08:43:25

reutersgernansolar
各紙の報道によると、JX日鉱日石エネルギーとパナソニック傘下の三洋電機は10月にも太陽電池の共同出資会社を清算する。2009年に折半出資で設立したが、中国のライバルの安値攻勢などで価格競争力が薄れ、10年に事業を休止していた。シャープも国内生産を縮小している。各国の補助制度見直しなど太陽電池を巡る事業環境が厳しくなるなか、日本企業が相次いで太陽電池事業を見直している。


 JX日鉱日石エネルギーと三洋電機がそれぞれ、共同出資会社である三洋ENEOSソーラー(東京・千代田)の清算を決議した。10年7月に事業活動を停止しており、15人いた従業員は出身企業に戻っている。生産設備は持っていないため、清算に伴う損失などは発生しないという。




 三洋ENEOSソーラーは09年1月に資本金2億円で設立。当時は15年度までに国内外で約1000億円を投じ、低コストが強みの「薄膜系」と呼ぶ太陽電池を年100万キロワット生産する計画を表明していた。だが中国勢が供給能力を大幅に増やしたため値崩れした。




 中国など海外太陽電池メーカーは低価格を武器に日本市場でシェアを伸ばしている。日本メーカー製に比べ、海外製は1~3割程度安く、特に事業採算を重視する大規模太陽光発電所の導入事例が増えている。太陽光発電協会(東京・港)によると、08年には国内市場で1%以下だった輸入品比率は11年に20%を超え、増加傾向だ。




 中国勢は品質やサービス体制も拡充している。世界最大手の中国サンテックパワーは7月下旬、長野県にテクニカルサポートセンターを設け、アフターサービスや品質検査の体制を強化した。




 JX日鉱日石エネルギーと三洋は燃料電池事業でも共同出資会社を運営しているが、こちらは継続する方針。JX日鉱日石エネルギーはパナソニックなど複数の太陽電池メーカーから製品を仕入れて販売する事業は続け、大規模太陽光発電所にも進出する。




 三洋電機の太陽電池事業は親会社であるパナソニックと統合し、年内にマレーシアで原料から組み立てまで一貫生産する新工場を稼働する。シャープは葛城工場(奈良県葛城市)の生産を大幅に縮小し、堺工場(堺市)に集約する方針。