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中国は太陽光発電装置輸出のゆがみ是正を=訪中の独メルケル首相が言明(Reuters)

2012-09-03 18:06:22

天津の食料品店を訪れたメルケル独首相(2012年8月31日、中国天津)
【天津(中国)31日ロイター時事】中国を訪問したドイツのメルケル首相は31日、天津で、ドイツは太陽光発電装置の対欧州輸出をめぐり中国との間に貿易戦争を起こすつもりはないが、中国は同部門の競争のゆがみを正すための行動を取らなければならないと述べた。

天津の食料品店を訪れたメルケル独首相(2012年8月31日、中国天津)




 ドイツのソーラーワールドを中心とする欧州の太陽光発電装置メーカーは7月、中国のメーカーは欧州でダンピング(不当廉売)をしているとの訴えを欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会に提出した。同委員会はダンピング調査に入るかどうかを7日までに決めるが、関係筋によると、調査を開始する公算が大きいという。

 メルケル首相は30日、温家宝首相との会談のあと記者団に対して、この問題では交渉で解決した方がいいとの考えを示し、同首相からは歓迎されたものの、欧州の同装置業界の懸念を強めていた。メルケル首相は翌31日には、トーンを変えて、中国企業は超低金利の銀行融資などの助成金が競争をゆがめ、EUの法律に抵触していることを認める必要があると強調した。

 同首相は「問題は解決してない」とし、「私が訴えたいのは誰もが透明性を持ち、その製品がどのように生産されているかについてのカードをテーブルの上に開示することだ」と述べた。

 中国のメーカーは、EUが中国製品に何らかの措置を取る場合には、それに報復するよう中国政府に求めている。米商務省は今年5月、中国のメーカーが米国でダンピングをしているとして、反ダンピング税を科した。これもソーラーワールドの現地法人を中心とする米企業の訴えを受けたものだった。

 欧州の太陽光発電装置メーカーはここ数年、中国メーカーは欧州で安く売り、一方で自国市場を守るために、豊富な助成金を受けていると批判している。昨年の中国の同装置輸出額の約60%、358億ドルはEU向けだった。

 

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012090300327