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前田建設、下関で国内最大級の洋上風力(各紙)総事業費250億円

2012-10-11 07:19:31

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各紙の報道によると、前田建設工業は洋上風力発電事業に参入する。山口県下関市で2015年に着工し、16年4月に稼働する計画で、総事業費は約250億円。出力は合計6万キロワットと稼働時点で国内最大級の洋上風力発電施設となる見通しだ。売電収入とともに発電機の設置ノウハウを蓄積し、今後の市場拡大が見込まれる洋上風力発電施設の建設受注の取り込みにつなげる。

山口県下関市の安岡漁港の沖合1~2キロに3000キロワットの発電機20基を設置する。15年春から10基程度の工事に着手し、16年春から順次稼働する。さらに16年中に残り10基の工事を進め、全ての風車を完成させる。


 風車を支える柱を海底に据え付ける「着床式」と呼ぶ方式を採用する。国内で数十基の建設実績がある陸上の風力発電施設で培った技術を応用する。




 このほど周辺海域の風況調査を終えた。今後は電力会社との受給契約や地元漁協との手続きを進めるとみられる。来年度中にも発電施設を運営する特別目的会社(SPC)を設立し、前田建設が出資するほか、数社から出資を募る。SPCの年間の売電収入は35億円程度を見込む。

風力発電は太陽光発電に比べて発電コストが安い。陸上に風車を建設する際には騒音や振動など周辺の環境悪化が懸念されるが、洋上風力発電ではこうした周辺への影響も少ない。海上は陸上に比べて安定して風が吹いているため、稼働率を高く保てる利点もあり、建設計画が今後、増える見通しだ。


 中長期的な国内建設投資の低迷を受けて前田建設は新規事業の開拓を進める方針を打ち出しており、売電事業もその一環。さらに海上での発電機の設置技術を積み上げ、洋上風力発電施設の建設市場で先行する考えだ。













































2015年までに予定される国内の主な洋上風力発電開発の事例
事業者 場 所 施設規模
(キロワット)
形 式
前田建設工業 山口県
下関市沖
60,000 着床式
小松崎都市開発(茨城県神栖市) 茨城県
鹿島港
30,000 着床式
東京電力、東京大学 千葉県
銚子市沖
2,400 着床式
Jパワーなど 北九州市沖 2,000 着床式
戸田建設、京都大学など 長崎県
五島市沖
2,100 浮体式
丸紅、三菱重工業など 福島県沖 16,000 浮体式



(注)一部稼働済みを含む