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オーストラリアが農業部門のCO2削減計画を公表。農業カーボンクレジットを承認へ(Reuters)

2011-06-01 01:21:25

(Reuters) –オーストラリアは、これまで同国北部で農民や地元土地所有者が、慣習的に行ってきた焼畑農業の方法を変えることで、カーボンクレジットを取得できる初めてのルールを公表した。ルールはCFI(Carbon Fariming Initiative)と呼ばれる。

 このルールは政府のCFIの一般向け公聴会において明らかにされた。CFIは農民や投資家に、土地の温室効果ガス削減にインセンティブを与えるための制度である。農業に基づくクレジット供給の制度化は世界でも初めて。制度の法制化は、すでに議会に提出される前から議論が続いており、政府は今後数カ月以内に法案が承認されることを期待している。

カーボンクレジット発行はサバンナ火災によるCO2排出量を抑制する方法のうちの一つだ。他にも大農場でのCO2排出、家畜での羊や牛のげっぷやふん、埋立地から出るメタンの放出も規制対象に含まれる。

オーストラリア政府の統計によると、北部地域でのサバンナ火災は、年間1200万トンの温室効果ガス排出につながっている。この法案が可決されれば、農業分野では世界初の法的根拠のあるカーボンクレジット市場の誕生となる。クレジットは焼き畑の範囲を縮小するか、あるいは焼き畑の時期をずらすなどの場合に与えられる計画だ。

同国のCO2排出者は、この制度によって自分の排出量をオフセットするクレジットを購入することができ、売り手は海外に売ることもできるようになるだろう。ただ、議会はCO2排出権取引の完全導入と、クレジットに価格を付ける法律が成立するまで、今回のルールの適用は段階的に実施するとみられている。

 排出権取引の導入は、CFIクレジットに対する需要を大幅に増やすとみられる。なぜなら、排出量の多い事業者にとっては、義務的な排出規制に適合するため、オフセットクレジットを購入するオプションが増えるためだ。

英語版参照:http://financegreenwatch.org/?p=1242

(Reporting by David Fogarty;Editing by Robert Birsel)