世界の平均気温 今年は史上最高に。世界気象機関(WMO)が宣言。人類起源の温暖化と、自然のエルニーニョ現象の合わせ技。産業革命以前からの気温上昇1℃を突破へ(RIEF)
2015-11-27 16:50:07
世界気象機関(WMO)は、今年2015年の世界の陸地の平均気温が、観測史上もっとも高くなり、産業革命以前から1℃上昇を確定する象徴的な年になるのが確実になったと発表した。
WMOによると、今年1-10月の陸上での平均気温は14.73℃で、1961-1990 年の平均気温の14.0℃より、0.73℃高かった。それ以前の産業革命期の平均と比べると約1℃の上昇となる。
今年の温度上昇の要因は、南米ペルー沖の太平洋赤道域で発生するエルニーニョ現象が例年になく活発だったことと、人類の経済活動によるCO2排出量の増加の両方が影響したとみている。
また 2011-2015 の5年間で見た場合でも、5年単位の気温変化として過去最も高かった。2015年単年ベースではエルニーニョ現象の影響が加わるが、5年単位でみると温暖化の影響が顕著に表れている。 WMO five-year analysis.
WMOの事務局長Michel Jarraud氏は「温室効果ガスのレベルは記録を更新し、北半球での三ヶ月平均値は今年春に400ppmを初めて突破した。海洋表面の温度も記録を取り始めてからもっとも高くなっており、産業革命以前以来の気温上昇が1℃の閾値を越えたのはまず間違いない。これは地球にとって、悪いニュースだ」と述べた。
またJarraud氏は、今年の気温上昇を特徴づけるエルニーニョ現象について、依然、強い状況で続いており、この影響は2016年も続く、との見解を示した。人為の気温上昇と、自然の気温上昇要因の連動で、「熱い地球」が続くとみられている。
地域別にみると、2015年がもっとも暑い年になるのが確実なのが、北米の西部地域、南米、アジア、アフリカで、欧州も過去二番目の暑さになる。例外的に涼しかったのは、南極と、北米東部地域だけだった。