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李嘉誠氏が中国の資産を投げ売り、「相次ぐ中国企業家の国籍変更」に続く新たな傾向か―中国専門家(新華経済)

2013-09-06 21:07:53

Rikasei
Rikasei香港の大富豪で、世界的な華人資産家として知られる李嘉誠氏がこのところ、香港や中国本土に持つ傘下企業の資産を投げ売りしている。この動きについて中国メディア・証券時報網が6日、中南財経政法大学の教授による分析記事を掲載した。主な内容は以下のようなものだ。

香港の李嘉誠氏がこのところ、香港や中国本土に持つ傘下企業の資産を売却し、中国一の富豪と呼ばれる宗慶後氏の後継者、宗馥莉氏は「中国での事業では政府 との必死の交渉が必要だ。企業の本部を海外に移転することを考えている」と公の場で語った。中国の企業家が次々と国籍を変えたことに続いて、注目すべき新 たな傾向だ。

ある統計によると、中国の有名企業家の大部分はすでに外国籍を取得しており、外国籍の華人として中国で事業をすることで、優遇を受けている。ただ近年、中国の企業家は自分が「外国人」になることでは満足せず、資産を海外に移転させるケースが増えてきた。

一部の中国の学者は西側諸国の経済指標を使って中国経済の動向を分析しているが、私はある国の経済発展状況を知る上で最適な指標が企業家指数だと考える。

企業家指数はある国の企業家が資産を扱う際の選択の動向を示すものだ。もし、より多くの企業家がある市場に投資するとなれば、この市場の状況は良くなり、市場から撤退するとなればその市場の環境が悪化していることを意味する。

世界で最も成功した企業家と呼ばれる李嘉誠氏は、香港と中国本土に大量の資金を投入した。しかし近年、香港市民の政治化の傾向が強まり、デモが多発。企業 経営に大きな影響が出るようになった。こうした状況のもと、資産を投げ売りすることは、政治的リスクを減らすことにつながる。ほかに良い選択はほぼないだ ろう。

李氏は中国本土でも同様の状況に追い込まれた。人件費が絶えず上がり、地方政府が企業を誘致する際の優遇条件もなくなった。さらに企業家を懸念させるのは、中国本土がたびたび政策を調整することだ。そのため李氏は中国本土の投資環境が悪化していると感じたのだ。

中国企業の経営環境はすでに悪循環に陥った。中央政府は審査制度の改革を進め、投資に有利な環境を整えようとしている。しかしその効果がすぐに表れること はないだろう。政府も現行の国内の法律が時代に合わないことを認識しており、各地に自由貿易区を設け、別の現行の法律の適用を中止している。

(編集翻訳 恩田有紀)

 

http://www.xinhua.jp/industry/finance/358943/2/