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中国が三メガ原発企業体制に 電力大手の中電投と国家核電が正式合併 国内建設と原発輸出に総力(FGW)

2015-05-31 22:21:46

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中国が国内外の原発市場を見据えた開発体制を整備にした。軸になる電力大手の中国電力投資集団(中電投)と、国家核電技術(国家核電)の合併が29日、正式に発表された。中国の原発企業は3メガ体制となり、国内の原発建設と海外への輸出促進にドライブがかかる。

中電投と国家核電はともに国有企業。新会社の名称は「国家電力投資集団(国電投)」となる。今年初めに、中国国有資産監督管理委員会(国資委)が合併計画を承認していた。

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中電投は、中国の5大電力会社の1社だが、中国核工業集団公司(中核)と中国広核集団(中広核)に比べ、規模が小さく、原発市場でのシェアは10分の1にとどまっている。一方の国家核電は米国ウェスティングハウス・エレクトリックから導入した原発技術などを有し、先端の研究開発、工事管理、運行サービス体制を備え、多様な子会社を率いる総合原発技術グループ。

 

 新会社、国電投の資産は、7000億人民元(約1129億㌦)、年間収入hあ2000億人民元を上回る企業となる。この結果、中国の原発企業は国電投、中核、中広核の3メガ体制となる。

 

ただ、一部報道では、中核と中広核との統合の可能性も浮上している。両社は、5月に共同開発を続けてきた国産第3世代原子炉「華竜1号」のモデルプロジェクトとなる福清原発5号機の着工認可を受けている。独自技術による国内原発の建設促進に自信を深め、さらに国際競争力を高めて、原発輸出を有利にする狙いがあるとみられる。

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中国で現在稼働中の原発は23基、発電容量は2138万kW。しかし、建設中の原発は倍以上の26基、2850万kWに上っており、建設中の原発数は世界で最も多い。このうち、2015年には8基の稼働が予定され、さらに6~8基の追加建設が見込まれている。すでに、方家山原発2号機が2月に稼働開始し、陽江原発2号機、寧徳原発3号機、紅沿河原発3号機も発電・送電を開始した。

 

中国政府は、中国企業による原発海外輸出を、鉄道ビジネスの輸出とともに最優先課題の一つとし、政府援助にも力を入れている。