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農林中金、三菱地所に総額500億円のサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)を提供。SPTsは、2025年度の再エネ電力100%、2030年度のScope3排出量50%削減等(RIEF)

2022-10-14 15:45:45

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 農林中央金庫は14日、三菱地所に対して総額500億円のサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)にをよる融資を行ったと発表した。融資で実現を目指すサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)は、2025年度に再生可能エネルギー由来の電力比率の100%達成、2030 年度に温室効果ガスの Scope1+2の70%削減、同3の50%削減を掲げている。両社は2020年5月にも115億円のSLL融資契約を結んでいる。

 

 SLLの融資契約を宣言する金融機関は多いが、実際の融資額等の詳細な情報を公表する事例は少ない。今回の契約では、融資期間が11年と6年の2本の融資に分け、それぞれ融資額は250億円。金利は非公表だが、通常の融資よりも優遇するとしている。資金使途はともに「長期運転資金」としており、借手の三菱地所は「資金の一部を再エネ電力の導入拡大やCO2削減に寄与する取り組みにも活用する計画」と指摘している。

 

 三菱地所は、2050年のサステナビリティ経営を見据えた 「三菱地所グループのサステナビリティビジョン 2050」を制定し、2022年3月には「2050年ネットゼロ宣言」を掲げ、同年6月にSBTiよりSBTネットゼロ認定を取得している。

 

 「ネットゼロ宣言」ではこれまでの温室効果ガス削減目標を大幅に強化し、2030年度までにScope1+2の合計を70%以上削減、同3を50%以上削減とするほか、25年度での再エネ100%達成、2050年までのネットゼロ達成等をも盛り込んでいる。

 

 今回のSLLでのSPTs設定に際しても、同目標を反映させた。前回のSLL時のSPTsは①温室効果ガス排出量削減を2030年度で35%削減(2017年度実績比)②再エネ比率を2030年度25%目標、としていたが、今回のSPTsでは、2025年度再エネ100%達成、2030年度のScope1+2を70%削減(2019年度比)、同3の50%削減(同)と、より詳細、より「野心的」なSPTsを設定した。

 

 SPTsの目標を達成できなかった場合の対応では、具体的な「罰則」に言及していない。日本格付研究所(JCR)のセカンドオピニオンでは、「達成した場合および未達の場合の諸条件について、農林中央金庫と三菱地所双方が合意している」としている。「未達」の場合は、貸付金利の引き上げ等を実施するものとみられる。

https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec221014_sllnouchumec.pdf