HOME |三井住友銀行、資金使途を社会課題解決の融資に絞る「ソーシャル預金」4月1日から開始。低所得者向け住宅、公共インフラ整備等に充当、ドル建て。富裕層や法人の資金獲得目指す(各紙) |

三井住友銀行、資金使途を社会課題解決の融資に絞る「ソーシャル預金」4月1日から開始。低所得者向け住宅、公共インフラ整備等に充当、ドル建て。富裕層や法人の資金獲得目指す(各紙)

2024-03-28 23:20:45

SMBC11キャプチャ

 

 三井住友銀行は29日、4月1日から、資金使途を社会課題解決につながる融資に限定した定期預金「ソーシャル預金」の取り扱いを開始すると発表した。預金は米ドル建て。預入額は個人の場合50万㌦(約7500万円)、法人は100万㌦(同1億5000万㌦)からで、富裕層、企業の余資運用に照準を合わせる形だ。調達資金は、別途定める「SMBC ソーシャル預金フレームワーク」で設定する8区分のソーシャル適格事業にファイナンスする仕組みとする。新興国の中小零細企業向けマイクロファイナンスや、手ごろな価格の住宅サービス事業等にファイナンスするとしている。

 

 同行は「ソーシャル預金」について、貧困・格差等の社会課題解決に取り組むファイナンスに充当する預金と位置付けている。顧客は同預金をすることで、サステナビリティ分野での資金運用に参画する機会を得ることができる。同行は「ソーシャル預金を通じて、法人・個人・大学・行政等の社会のさまざまな構成員が垣根を越えて連携し、社会課題の解決に向けた資金循環を生み出す仕組みづくりを推進する」としている。

 

 同預金の開発に際しては、新興国で金融包摂のマイクロファイナンス事業を提供し、同行とも協業して いる「五常・アンド・カンパニー」の協力を得ている。

 

 同行は2021年に法人向けのグリーン預金を開設している。同預金も米ドル建てで、資金使途は、太陽光発電や風力発電の再エネ事業のほか、グリーンビルディング等の環境事業としている。ソーシャル預金の開始で、環境、社会(E、S)両分野での預金と融資との連動商品がそろったことになる。

 

 社会的課題の解決の融資に充当するソーシャル預金としては、わが国では京都信用金庫が2021年12月から「京信ソーシャル・グッド預金」を提供している。預金者が預金資金の使途先を、地域、文化、医療・福祉、教育、環境、働き方の6つの社会課題から選ぶ。京信はそれらの課題解決に取り組む企業(ソーシャル企業認証制度S認証)に融資する仕組みだ。

 

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 三井住友銀のソーシャル預金の場合、個人向けは期間1年の定期預金で、金利は通常のドル定期預金と同じ年4.5%。法人の場合は期間30日以上1年以内とする。最低預入金額は個人の場合が50万㌦(約7500万円)で、法人は100万㌦(約1億5000万㌦)とし、富裕層と金融機関や一般企業等の法人向けとなる。「京信」の場合は1万円以上300万円以下で、300万円が上限。三井住友銀は上限を設けない。最低預入金額は将来引き下げて、顧客層を広げることも検討するとしている。

 

 三井住友銀のソーシャル預金の資金使途先については、別途定める「SMBC ソーシャル預金フレームワーク」で、預金の資金使途、評価・選定プロセス、資金管理、 レポーティング等の枠組みを定めるほか、対象事業区分も明確化する。さらに、預かった預金が適格にソーシャル事業に充当されているかどうかについては、第三者機関の「DNV ビジネス・ アシュアランス・ジャパン」が毎年レビューするとしている。

 

(同原稿は、三井住友銀行が3月29日午前10時に発表したことから、更新しました)

https://www.smbc.co.jp/news/pdf/j20240329_01.pdf

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000086001.html