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みなと銀行(神戸市)が主導し、食品残渣等を燃料とするバイオガス発電事業に40億円のグリーン・シンジケートローン組成。再エネと資源リサイクルを両立(RIEF)

2024-03-29 00:34:41

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写真は、建設するバイオガス発電所の完成予想写真)

 

 関西みらいフィナンシャルグループのみなと銀行(神戸市)は28日、兵庫県豊岡市で食品残渣等を燃料とするバイオガス発電事業の建設資金40億円を、融資期間20年で提供するグリーン・シンジケートローンを組成したと発表した。同事業は、水処理・資源リサイクルのアステック(同県姫路市)が実施するもので、食品残渣等の産業廃棄物を燃料としてメタン発酵ガスを発生させて発電する。また工程で生じる排水等は浄化し、固形物は肥料化することで、温室効果ガス(GHG)削減と資源リサイクルを両立させるとしている。

 

 みなと銀がアレンジしたグリーン・シンジケーションに参加した金融機関は、日本政策金融公庫、山陰合同銀行、伊予銀行、トマト銀行、但馬銀行、兵庫県信用農業協同組合連合会、広島銀行の各金融機関。調達資金は、アステックが開発したメタン発酵バイオガス発電事業の設備資金(発電設備を除く)として融資する。

 

 調達資金は、事業資金に充当するトランシェA(コミット型タームローン)と消費税対応の同B(コミットメントライン)で構成する。トランシェAが37億円、同Bが3億7000万円。事業は2025年4月に建設に着手し、26年10月に竣工。試運転を経て、20年4月に稼働の予定。

 

バイオガス発電のフロー(アステック資料より)
バイオガス発電のフロー(アステック資料より)

 

 アステックは水処理・リサイクル事業を中心とする兵庫県の中堅企業。同社はこれらの技術を発展させてバイオガス発電事業への展開を目指している。発電した電力は、経済産業省が所管する再生可能エネルギ ーの固定価格買取制度(FIT)を活用し、27年から20年間、関西電力に売電する。同発電によるCO2の削減効果は年間2947㌧と算定している。

 

 食品残渣等は食品メーカー等から日量131.5㌧の計算で調達する。メタン発酵設備は、メタン発酵槽とガスホルダーの2つの設備で、メタン→バイオガスに転換する。このガスをガスエンジン発電設備でガス→電気に転換し、FITを利用して関西電力に39円/kWhで20年間売電する。ガス発電設備はリースで調達するため、今回のグリーンローンの資金使途先からは外す。

 

 食品残渣等からのメタン発酵ガス創出の過程では消化液が発生するが、同社の排水処理技術を活用して浄化し下水に放流できる。燃料からの残渣となる固形物は農業用の肥料となることから、肥料会社に売却する。食品残渣からエネルギーを抽出し、資源リサイクルを推進することになる。同ローンのグリーン性については、格付情報センター(R&I)から、国際的なグリーンローン原則等への適合の付与を得ている。

https://www.resona-gr.co.jp/holdings/news/hd_c/download_c/files/20240328_1k.pdf?_gl=1*4xg26w*_gcl_au*MjEwOTQ5MTM5MS4xNzExNjM2MTAx

https://www.astec-geo.co.jp/biogaspro/biopro01.html

https://www.astec-geo.co.jp/biogaspro/green.pdf