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滋賀へSPEEDI提供せず 文科省今度は「規制庁待ち」(東京新聞)

2012-06-07 07:21:19

原発事故時に放射性物質がどう広がるかを予測する国の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報が滋賀県に提供されていない問題で、所管する文部科学省が、原子力規制庁が発足していないことを理由に挙げていることが分かった。これまでは「準備中」としていた。

 再稼働を控える関西電力大飯原発で事故が起きた場合、滋賀県にも大量の放射性物質が拡散するとされ、SPEEDIの拡散予測結果はその裏付けになるとみられていた。

 文科省は従来、SPEEDIの情報提供自治体を原発から半径八~十キロ圏に限っていたが、今年二月、三十キロ圏に拡大。滋賀県は新たに情報提供先に追加されたのを受け、三月五日に福井県内の四原発で福島並み事故が起きた場合を想定した拡散予測図の作成を要請。独自に作った拡散予測図をSPEEDIの情報で検証し、三月末に予定していた県防災計画の見直しに反映させる方針だった。

 政府は五月十五日に、滋賀県からの要請について「原子力規制庁の設置関連法案の成立後に定められる原子力防災指針を踏まえて行うことが適切」とする答弁書を閣議決定。文科省原子力安全課は「県に説明はしてこなかったが、情報提供は規制庁の発足が前提だ」としている。

 これに対し、滋賀県原子力防災チームは「文科省からは準備中と言われていた。条件付きの話ではなかったはず」と反発している。

 SPEEDIは、福島原発事故の際に情報提供が遅れたために住民の避難に役立たなかったと批判されている。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060790070310.html