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九電みらいエナジー等による長崎・五島市での潮流発電実証事業、系統接続可能の「使用前検査」に合格。発電出力500kW。洋上風力発電と並び、将来の海洋発電に期待(RIEF)

2021-05-24 13:30:21

tidalpowerキャプチャ

 

 九州電力子会社の「九電みらいエナジー」は、長崎県五島市の海域で取り組んできた発電出力500kWの潮流発電システムが、電気事業法に基づく使用前検査に合格したと発表した。大型の潮流発電設備で、同検査に合格したのは今回が初めて。今年1月に設置され、4月末までに一般家庭約360世帯の1カ月分の消費電力に相当する7万9600kWhの発電に成功している。洋上風力発電等並ぶ海洋発電の軸になる期待がある。

 

 (写真は、海底に設置される前の潮流発電機)

 

 潮流発電設備の開発は、九電みらいエナジーと、長崎海洋産業クラスター形成推進協議会が実施している。長崎県五島市の奈留瀬沖の海底約40mに、英国の潮流発電事業者「SIMEC ATLANTIS ENERGY(SAE)社製の発電機を設置し、実証実験を展開している。SAE社は、英北部で、世界最大の商用潮流発電事業MeyGenプロジェクトを実施中。現在は6MW(1.5MW×4機)規模だが、将来的には約400MWに拡大する予定。

 

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 五島市に設置されたSAE製発電機は、高さ約23m、重量約1000㌧、3枚の翼を持ち、回転数は71~12rpm。出力500kW。事業予算18億円。環境省の潮流発電技術実用化推進事業の支援を受けている。潮流発電には毎秒1m以上の流速が必要だが、五島市の奈留瀬戸では最大で毎秒3m以上となる適地。

 

 発電設備などを電力系統に接続するには、経済産業省が管轄する電気事業法の使用前検査で合格する必要がある。今回の実証実験では実際の系統連系は行わない。同発電機は、地域密着を目指すため、地元の奈留町の小中高学生を対象に愛称募集を実施、発電機については「なるミライ」、キャラクターについては「なるくらげ」の名前を付けた。

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https://www.q-mirai.co.jp/files/optionallink/00000285_file.pdf?1621828578