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商船三井、三井物産。それぞれ独自に、洋上風力発電事業のメンテナンス専門のビジネスへ参入。商船三井はフィリピン企業と人材育成へ、三井物産は国内の専業企業と共同会社設立(RIEF)

2021-08-24 15:50:21

hokutaku003キャプチャ

 

 洋上風力発電事業の展開をにらみ、同事業の洋上でのメンテナンス活動への取り組みも広がってきた。商船三井はフィリピン企業と連携し、メンテナンスを行う人材の育成事業に乗り出す。早ければ2022年度にも開始する。三井物産は国内の陸上風車のメンテナンスで実績のある企業と、洋上専門の共同事業会社を設立した。ともに洋上風力運営のサプライチェーンを構築する。

 

 (写真は、欧州の洋上風力発電のメンテナンス作業の様子:三井物産のサイトから)

 

 商船三井はフィリピンで船員養成の商船大学を設立・運営している。その協力会社のマグサイサイグループ(フィリピン)と2020年8月に設立した人材育成会社の「MMエンパワー」が、洋上風力発電のメンテナンス専門の人材育成を担当する。

 

 国際市場での洋上風力のメンテナンス事業の実施には、風力発電設備作業者を対象とした訓練の国際標準を制定するグローバル・ウインド・オーガニゼーション(GWO)の認証が必要。MMエンパワーは今後GWO認証を取得し、併せて風車など研修に必要な設備の導入、設置を目指すとしている。

 

 一方、三井物産は4月に、国内の風力発電メンテナンス事業で最大手の北拓(北海道・旭川市)と共同で、洋上風力発電設備の点検・メンテナンス事業専門の「ホライズン・オーシャン・マネジメント(HOM)」社を設立した。

 

 北拓は、風力発電の点検・メンテナンスの専門企業で、これまでは陸上の風力発電を対象としてきた。今回、洋上風力発電の普及を見据えて、国内洋上風力発電事業者向けに、洋上の風車から基礎構造部も含めた設備点検・メンテナンスサービスを包括的に提供する、としている。

 

 また、風力発電設備の資機材調達における品質管理・検査業務の代行サービスなど幅広い事業展開も想定している。洋上風力発電は、経済産業省が2020年12月に発表した「グリーン成長戦略」では、2040年までに3000~4500万kWの発電容量の整備目標を掲げている。

 

 風力発電等は、単に設備を設置すればいいわけではなく、特に洋上風力の場合、潮風の影響や台風等の災害への備え、船舶から受ける影響等への対応、点検、修復等のメンテナンスが事業継続のカギを握っているともいえる。再エネ事業のインフラビジネスの巧拙が、稼働率にも影響を及ぼす。

 

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00609401?isReadConfirmed=true

https://www.mitsui.com/jp/ja/topics/2021/1240998_12154.html

http://www.hokutaku-co.jp/news/20210414.html

https://www.mol.co.jp/pr/2021.html