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京セラと東京センチュリー共同経営の日本最大級の、「千葉・山倉」の水上設置型太陽光発電所、再建完了。一つのフロートを6つに分割し、局所的な力の集中を分散化(RIEF)

2021-10-04 20:51:27

kyoseraキャプチャ

 

 京セラ(京都)と東京センチュリー(東京)は、一昨年9月の台風15号の影響で被害を受けた千葉県市原市の水上設置型太陽光発電所の「千葉・山倉水上メガソーラー発電所」の復旧を完了したと発表した。同発電所は水上設置型では日本最大級だが、台風の強風で、フロート架台が押し流され損傷した。復旧工事では、全体が一つにまとまっていた太陽光パネル搭載のフロートアイランドを、局所的な力の集中を分散するため、大小6つに分けて再建した。

 

 同太陽光発電所は、両社が共同出資する京セラTCLソーラー合同会社が運営主体。出力は約13.7MW。2018年3月から発電していた。それが2019年9月に房総地方を襲った台風15号の強風で、太陽光パネルをまとめて搭載していたフロートアイランドが、3つに分断され、複数個所から発火する事故となった。

 

台風の強風で崩れてしまった太陽光パネル
台風の強風で崩れてしまった太陽光パネル

 

 被災する前は、樹脂製で一体のフロート本体(メインフロート)に固定金具で1枚の太陽光パネルを取り付けたうえで、本体より小さい「セカンドフロート」を間にはさんで、全体を連結する仕組みだった。メインフロートとセカンドフロートの接続は樹脂製のピンでつないでいた。全体は、複数の長方形を組み合わせたような複合的な形状で、東西の最大幅は503.1m。南北は西サイドが南に向かって東サイドよりも長く、最大長487mだった。

 

 復旧工事では、こうしたひとまとめのフロートアイランド形状を、単純化、小型化して、6つに分けて再建した。強風が吹いても、パネルを搭載するアイランドに局所的な力の集中が発生しないようにするためだ。またフロートを固定するアンカーの本数を420本から倍以上の904本に増設し、電気火災の発生を防ぐ対策を施した。

 

 従来の複合形状から6つの矩形にすることで、発電面積は従来と同規模の13.7MWを確保できる。使用する太陽光パネルは、京セラ製太陽電池モジュール4万4898枚(270Wのモジュール8848枚、315Wのモジュール3万6050枚)を搭載する。発電電力の売却先は従来と変わらず東京電力エナジーパートナーに売電する。

https://www.kyocera.co.jp/newsroom/news/2021/001683.html