HOME |「忙中閑あり」ならぬ、「暴中環あり」か(?)(『暴力(戦争)』をふるいながら『環境配慮』を装う究極のグリーンウォッシュの意味)。プーチン・ロシア大統領、サハリンでのカーボンニュートラル実験法に署名(RIEF) |

「忙中閑あり」ならぬ、「暴中環あり」か(?)(『暴力(戦争)』をふるいながら『環境配慮』を装う究極のグリーンウォッシュの意味)。プーチン・ロシア大統領、サハリンでのカーボンニュートラル実験法に署名(RIEF)

2022-03-08 15:17:16

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  ロシアからの報道によると、プーチン大統領は6日、サハリンでの温室効果ガス(GHG)削減実験に関する法令に署名した。2028年までに同島でのGHG排出量をネットゼロとする。「サハリンのカーボンニュートラル化」は昨年夏にも報じられた。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、サハリンⅠや同Ⅱ事業から米英メジャーが撤退宣言をしたこと等を反映してか、カーボンニュートラルの達成時期を、当初想定より3年遅らせている。

 

 タス通信が報じた。ロシアは昨年夏、副首相で環境や農業等担当のビクトリア・アブラムチェンコ(Viktoria Abramchenko)が、サハリン島でカーボンニュートラルの達成実験を行う考えを示していた。同島は、南北948km、東西最大160km、面積76400㎢北海道よりやや小さい。沿岸部を含めて石油・ガスが豊富で、日米欧の企業との共同開発が進んでいる。

 

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 サハリンでのカーボンニュートラル実験は、同島で操業するすべての企業のGHG排出量の把握と報告制度を整備し、島全体での排出量の管理を行うというもの。同島での石油・ガス等の共同開発事業を含めた年間のGHG排出量は150万㌧とされる。ロシア全体では年間21億㌧の排出量。アブラムチェンコ氏は「国全体の森林吸収量が25億㌧あるので、ネットゼロ達成は難しくない」としていた。

 

 今回のプーチン大統領の法令署名に続いて、ロシア政府は、同様の地域単位でのカーボンニュートラル実験を全国展開する方針のようだ。法律は実験でのカーボンニュートラルの達成年を当初示していた25年から28年に3年遅らせた。この「3年」は、今回のウクライナ侵攻に伴って西側諸国が実施している経済制裁等によるロシア経済への影響を考慮しての変更かもしれない。

 

 ロシア政府の計画では、サハリンでの実験に続いて、ロシア西部の港湾都市カリーニングラード、西シベリアの石油産地のハンティ・マンシースク等でも地域単位のカーボンニュートラル実験を実施に移す準備を進めているとしている。

 

 ただ、サハリンではサハリンⅠ事業から米エクソン・モービルが、同Ⅱ事業からは英シェルがそれぞれ撤退を発表しており、両事業の継続自体が宙に浮く状況になっている。これらの事業が停止すると、同地でのカーボンニュートラルの達成はむしろ早まると思われるのだが。

 

Putin signs law on GHG emissions limitation experiment – Business & Economy – TASS