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デロイトトーマツ。太陽光発電等の再エネ電力事業の売買情報をネット上で提供する「再エネ・プラットフォーム」開発。既存再エネ事業への投資需要増大に対応(RIEF)

2023-03-07 15:07:46

Deloitte002キャプチャ

 

 デロイトトーマツ グループは7日、全国の太陽光発電所等の再エネ電力の売却希望情報をインターネットのMAP上で検索できる太陽光発電所・再エネ売買プラットフォーム「Renewable Energy Platform」を開発し、今月23日から再エネ市場の売り手と買い手の双方に対して情報提供サービスを開始すると発表した。脱炭素への需要が高まる中、既存の再エネ発電事業の売買需要が増えていることに対応するとしている。

 

 サービスを提供するのは同グループのデロイトトーマツコンサルティング合同会社(東京)。ネット上に構築するプラットフォームでは、全国の太陽光発電設備の売却希望情報をデータベース化して、地図上で場所を特定できる形で表示する。また太陽光発電による再エネ電力の販売情報も提供する。

 

 MAP上で当該の売却物件にアクセスすることで、売却希望事業者名、発電能力、固定価格買取制度(FIT)の対象事業の場合の買取価格、売却希望価格等を確認できる。最初は対象とする再エネ事業は太陽光発電事業に限定するが、今後、風力発電やバイオマス発電等にも拡大する方針という。

 

 プラットフォームへの登録は売却事業者の場合は無料。投資を目指す買い手の登録料は月10万円。年間契約の場合は100万円とし、対象案件の非公開情報等の詳細な追加情報が必要な場合は別途、1件当たり20万円を徴収する。

 

 物件の売買交渉は当事者同士が行い、デロイトは取引成立に伴う仲介手数料等は受け取らない。今後、電源種の拡大のほか、地域の脱炭素の取組み情報や需要家動向の追加など、サービスや機能を順次に追加することも検討中としている。買い手に対して、脱炭素社会実現に向けた取組みを支援するコンサルティングサービス等も提供する方針だ。

 

 政府の2030年の脱炭素目標では、排出量46%削減を掲げており、再エネ事業の拡大が求められる。ただ、太陽光発電については、すでに大規模な開発適地が限られており、新規に事業投資を目指す事業者は、既存の開発物件への投資意欲が高まっている。既存の再エネ事業は、新設のものに比べて開発リスクが低いことから、投資採算を見込み易い。ただ、これまでは仲介事業者を介した個別の調達交渉等に限定されてきた。

 

 デロイトでは「脱炭素社会の実現に向けて、再エネへの期待が一層高まり、FIP(市場価格に一定の補助額上乗せ制度)やPPA(電力購入契約)など、これまで一般的であったFITに依存しない電力供給や、FITの買い取り期間満了を待たずに売却するなど、再エネ事業販売側のニーズは多様になってくると指摘。一方で、再エネ事業への新規参入を目指す企業にとって取引機会や実態の把握が難しいという課題があるとしており、新規サービスへの潜在需要が大きいと判断している。

https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20230307.html