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世界の原発産業、福島事故後も成長軌道=OECD(Reuters)

2012-07-26 17:37:19

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[ロンドン 26日 ロイター] 経済協力開発機構(OECD)と国際原子力機関(IAEA)は26日発表した隔年報告書で、世界の原子力発電所の発電能力は、2035年までに44─99%伸びるとの見方を示した。

同報告書は、福島第1原発の事故を受けて一部の国では反原発のムードが高まっているが、アジアでは二酸化炭素を排出しないエネルギー源として、原発産業の拡大が推し進められると指摘。福島原発事故が起きる前の2年前に出された報告書では、原発の発電能力は37─110%伸びるとの予想が示されていたが、今回そこから大きな変化はなかった。

IAEAのゲーリー・ダイク氏は、世界の原発産業の長期的な見通しについて、福島原発事故で「いったん減速」するとしながらも、「依然として中国では目覚ましい成長が見込まれている」と語った。

報告書は東アジア地域の原発発電能力は、2035年までに125─185%増加すると予測。特に中国やインド、韓国、ロシアで高い伸びになるとしている。

OECD原子力機関(NEA)のロバート・バンス氏によると、予測レンジの下限である125%は、日本が原発を再稼働させるケースは一切想定していない数字だという。

関西電力は25日、大飯原発4号機がフル稼働に達したと発表。福島原発事故後に定期検査で停止した日本国内の原発がフル稼働するのは、3号機に続いて2基目となった。政府が再稼働を決めたのはこの2基だけで、国内の残る48基が運転再開する見通しは今のところない。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86P05720120726