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福島原発、差別などで心の傷2倍 第1と第2の所員1500人調査(共同)

2012-08-15 08:42:14

福島第1、第2原発所員へのアンケート調査結果を発表する愛媛大の谷川武教授=松山市
福島第1、第2原発所員へのアンケート調査結果を発表する愛媛大の谷川武教授=松山市


東京電力福島第1原発と第2原発の所員が、第1原発の事故後に、所員であることを理由に他者から差別的な扱いや中傷を受けた場合、精神的な問題を抱える確率が2倍になるとの調査結果を、愛媛大と防衛医科大学校(埼玉県)のチームが15日までにまとめ、発表した。

 同チームによると、大規模災害時の復旧作業員に対する精神面への影響を明らかにしたのは初めて。愛媛大の谷川武教授(公衆衛生学)は「所員は復旧作業員であると同時に被災者でもある。社会の理解がなければ、うつ病や、作業へのモチベーションの低下が懸念される」としている。

 両原発の所員のうち、東電社員を対象に昨年5、6月アンケートを実施。85%に当たる1495人から回答を得た。

 差別や中傷を受けた所員と受けなかった所員を、気分の大きな落ち込みや絶望感などの苦悩があるかや、感情のまひやショッキングな場面を思い出してしまう心的外傷後ストレス反応(PTSR)があるかで比べると、受けた所員はこれらになる確率がそれぞれ2倍になっていた。

 事前の面談では、所員であることを理由に、アパートの賃借や病院の受診を断られたり、避難所で暴言を浴びせられたりした事例があった。アンケートの結果、こうした差別・中傷を受けていた所員は191人(12・8%)に上った。

 

http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/08/post-6472.html