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原発ごとに最大津波想定 地震対策でも新基準骨子案(東京) 7月までに正式決定

2013-01-23 08:20:19

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genpatsukiseii2013012399071031地震や津波に対する原発の安全基準を検討している原子力規制委員会の専門家チームは二十二日、新基準の骨子素案を示した。活断層上に原発の重要施設があることを明確に禁止する規定を設けたほか、原発ごとに起こり得る最大の津波「基準津波」を予測し、敷地内が浸水しないようにする対策を求めた。

規制委の別の専門家チームは、二十一日に航空機テロなどに備えた新たな設備の骨子素案を打ち出した。新たな安全基準は、地震・津波、設備の両面からまとめられ、七月までに正式決定される。全ての基準を満たさないと、原発の再稼働は認められない。

活断層をめぐっては、直上に原発を建てることを事実上禁じる規定はあったが、法的根拠が薄かった。今回、素案に「断層の活動性が無いことが確認された地盤に設置すること」と明記。成案となれば、規制委は活断層の存在が疑われる状況での原発再稼働は認めない根拠ができる。

ただ、原子炉や原子炉建屋を除く重要機器の一部は、地盤のずれなどを吸収するような設計であれば例外扱いできるとも記された。例外規定に関しては、専門家の間でも議論が分かれており、恣意(しい)的な運用にならない明確な基準づくりが求められる。

活断層は、これまでの十二万~十三万年前以降に動いたものと定義されてきたが、「四十万年前以降の活動が否定できない」に強化される見込みだった。だが、素案では、十二万~十三万年前の記述は残した上で、新しい年代の地層が残っていないなど検討材料が不十分な場合は、四十万年前までさかのぼって動いたかどうかを確認する、との内容に後退した。このほか、新基準は活断層がなくても予想外の強い揺れが生じる可能性がないか、全原発で直下の地盤を三次元的に詳しく解析するよう求めた。

巨大な活断層「浦底断層」が真横を通る日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)などを念頭に、活断層と原発が近い場合は特に厳しく耐震性を見直すことも盛り込んだ。

福島事故の直接原因となった津波への対応では最大の津波を予測し、防潮堤を整備し、取水口などから海水があふれ出ない対策を講じ、敷地内に浸水させないことを求めた。また、仮に津波が防潮堤を越えても、建屋に海水浸入を防止する頑丈な扉などを設け、水没しない対策を求めた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012390071031.html