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原子力委員会 災害指針を改定 5キロ圏にヨウ素剤配布 (各紙)

2013-02-27 13:23:00

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原子力災害対策指針の改定などについて議論する原子力規制委員会の田中俊一委員長(左端)ら=27日午前、東京都港区
原子力災害対策指針の改定などについて議論する原子力規制委員会の田中俊一委員長(左端)ら=27日午前、東京都港区


各紙の報道によると、原子力規制委員会(田中俊一委員長)は27日の会合で、原子力災害対策指針の改定を了承した。甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を原発の半径5キロ圏の家庭に事前配布することや、5キロ圏外の避難基準として周辺で測定される放射線量を毎時500マイクロシーベルトとすることが柱。周辺自治体は指針を参考に、具体的な避難方法を定めた地域防災計画を3月18日までに策定する予定だが、指針改定が当初より約2カ月遅れたため、間に合わない自治体も出そうだ。

改定指針では、原発から5キロ圏内は、甲状腺被ばくを抑制する安定ヨウ素剤を事前に戸別配布し、原子炉の冷却不能など深刻な事態に陥ったら即時に避難する。5キロ圏外では、放射線量が毎時500マイクロシーベルトに達したら避難を開始する。さらに、同20マイクロシーベルトを計測したら地元産の食品摂取を制限し、1週間以内をめどに一時避難する。

基準は昨年12月末に決める予定だったが、外部専門家から「根拠が不明確」などの注文がつき、決定が遅れていた。その後、改定案への国民からの意見公募が3155件も寄せられ、それらの分析作業のためさらに1週間遅れた。