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福島第一原発湾内で漁獲のアイナメ 過去最高の51万ベクレルのセシウム検出 食品基準の5千倍超(各紙) 進む放射能蓄積

2013-02-28 22:59:37

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fukushimaK10058595811_1302281938_1302281943_01東京電力は28日、福島第1原発の港湾内で捕獲したアイナメから、魚類では過去最大値となる1キログラム当たり51万ベクレルの放射性セシウムを検出した、と発表した。国が定める一般食品の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の5100倍に相当する。湾内の魚が外に出るのを防ぐために設置した網にかかっていた。

このアイナメを1キログラム食べた場合の内部被爆線量は約7・7ミリシーベルトと推定される。このほか別途捕獲したムラソイからも27万7千ベクレルのセシウムを検出した。湾内に滞留する魚の体内には食品連鎖を通じて、セシウムがどんどん蓄積していることを示す。東電は湾内にいる魚の駆除作業をしているが、今月8日に設けた仕切り網の設置前に湾外に出た魚がどれくらいいるかは全く分かっていない。

これまでは、網を設置する前の昨年12月に捕獲したムラソイから25万4000ベクレルを検出したのが最高だった。今回のアイナメはそのおよそ2倍になっている。魚種が異なるが、短期間でセシウムの魚体内蓄積が進んでいると推察される。

東京電力の新妻常正常務は「魚の移動を防いだり駆除したりといった対策を、計画的に、かつ前倒しして取り組んでいきたい」と話しているが、これまでに湾外から流出した魚類の行方をつかむことは不可能。また湾内への放射能汚染水の漏水が完全に遮断できたかどうかも不明。福島県沖ではミズダコなどの試験操業を除いて漁を自粛しているが、他の海域に拡散したかどうかも不明。