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英国で20年ぶりに原発新規認可へ手続き進む サマーセット州ヒンクリー(FGW)

2013-03-20 23:40:27

The existing Hinkley Point B's reactor near Bridgwater
The existing Hinkley Point B's reactor near Bridgwater
The existing Hinkley Point B’s reactor near Bridgwater
英国政府は、1995年以来ほぼ20年ぶりで、新規の原子力発電所建設計計画に敷地許可を与えた。計画全体を大きく前進させることになる。対象となる原発は、仏大手電力会社EDFの英子会社NNB Generationがサマーセット州のヒンクリー・ポイントに計画中の2つの原発。英国政府はエネルギー確保と温暖化対策を両方満たすエネルギーミックス政策と位置付けている。これに対して、環境NGOの英FOEなどは、「真のエネルギーミックスは、省エネと再生可能エネルギーの組みあわせで実現すべきだ」と強く反発している。 今回の承認は、計画そのものの承認ではなく、サイト・ライセンスの付与という形。ただ、事実上、計画承認に近いとされる。ライセンスの許可を受けた2つの原発は、500万世帯分の電力供給が可能という大規模なもので、英国最大級の発電所の一つになる見通しだ。投資額は140億ポンドの予定。また、建設期間中に2万~2万5千の雇用増が見込まれるほか、完成後には9百人の常時雇用が予定されている。エネルギー・気候変動担当相のエドワード・ダービー氏は、「今回の承認は、厳格な計画審査に基づく。国家のエネルギー政策に沿った適切な手続きに基づいている」としている。 これに対して、英FOEやGreenpeaceなどは、今回の原発の建設が10年間の検討結果を踏まえながら、中身的な前進が見られず、さらに計画自体がフランスのEDFの手によることから、「英政府は英国の納税者から白紙の小切手を、フランスの開発業者に切ったのと同じだ」と痛烈に批判した。また、温暖化対策とエネルギー確保を両立させるもっとも費用対効果の高い手法は、省エネと再生可能エネルギーへの投資の組み合わせだ、としている。