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六ケ所村・核燃料再処理工場 使用前検査準備整う(河北新報)

2013-05-28 11:29:55

試運転の全試験項目を終えた使用済み核燃料再処理工場=青森県六ケ所村
試運転の全試験項目を終えた使用済み核燃料再処理工場=青森県六ケ所村
試運転の全試験項目を終えた使用済み核燃料再処理工場=青森県六ケ所村


日本原燃は27日、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で行っていた高レベル放射性廃液のガラス固化試験について、ガラス溶融炉2基のうち、A系炉で26日深夜に終えたと発表した。もう一つのB系炉は1月に終了しており、試運転中の最終試験を全て終えた。



 

1993年の着工から20年で、核燃料サイクル政策の要となる施設は、完成に必要な国の検査を受ける事業者側の準備が整った。

 
 原燃は工場の10月完工を目指すが、原子力規制委員会は12月以降に施行される新規制基準への適合を確認後に検査する方針。工場の完成は越年する可能性が高い。

 
 試運転は、実際の使用済み核燃料を使って2006年3月に開始し、1年5カ月後の07年8月に終了する予定だった。

 
 だが、再処理後に残る高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固めるガラス固化試験に入った直後から、溶融炉底部に希少金属がたまりガラスが流れなくなるなどのトラブルが多発。そのたびに中断を繰り返し、終了まで7年余りを要した。完成時期がたびたび変更された影響で、建設費は約2兆1930億円と当初予定額の3倍に膨らんだ。

 
 今回の固化試験は今月8日に着手。実際の廃液でガラス固化体25本を製造、溶融炉が安定した状態で運転され、最大処理能力を発揮できるかなどの点を確かめた。トラブルはなく、予定通りの日程で試験項目の確認を終えたという。

 
 再処理工場は、規制委の使用前検査に通ることが主な完工条件。10月の完工は困難とみられ、完工時期を延期すれば20回目となる。

 

[使用済み核燃料再処理工場]各地の原発から受け入れた使用済み核燃料をせん断、溶解し化学処理を施してウランとプルトニウムを抽出、新たな燃料として使えるようにする施設。1993年4月着工。最大処理能力は年800トン。2006年以降の試運転で約425トンの使用済み核燃料を再処理した。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/05/20130528t23003.htm