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中部電力 「赤さび」で発電 高効率で廃熱を変換(東京)

2013-06-12 21:59:07

赤さびが役に立つとは・・
赤さびが役に立つとは・・
赤さびが役に立つとは・・


中部電力は「赤さび」を利用することで、工場や家庭から出る廃熱を効率的に電気に変えられることを発見した。多様なエネルギーによる発電方法が世界中で研究されているが、身の回りにあふれるさびで高効率の発電技術が確立されれば、廃熱を再利用した安価な電力供給が可能になる。中部電は実用化に向け、研究開発を進めていく方針だ。


 五月末にフランスで開かれた「欧州材料学会」で報告した。




 赤さびが、熱を電気に変える「熱電材料」という特性を持っていることを利用した。熱電材料は発電機のような機械を使わず、環境に優しい発電方法でもあり、各国の企業、研究機関などが技術開発に取り組んでいる。




 中部電は二〇〇七年七月、効率よく発電できる熱電材料を探し出す研究を開始。世界中に豊富にあり、安全面でも優れた材料を対象に検証を重ねた結果、赤さびが既存の熱電材料より、熱から電気への「変換効率」が三~四倍高いことが分かった。原材料費も、高価な既存材料に比べ千分の一程度ですむ。




 本年度中には、赤さびによる発電装置を試作し、実証実験を始める計画だ。どの程度の「さび具合」だったら発電効率が上がるかなど、実験でデータを積み上げて実用化に向けた準備を進める。




 将来的には、家庭や工場などにさびを集めて造った発電装置を設置し、廃熱を電気に変換して再利用するケースが想定される。自動車の場合、マフラーからの廃熱を車内のエアコンなどに活用することも可能だ。そのため、発電装置を低コストで量産する技術開発も不可欠となる。




 研究担当者の森匡見(まさみ)さん(46)は「実用化はまだ先だが、どこにでもある赤さびが、安い費用と効率を兼ね備えた発電所になるかもしれない」と期待をかけている。




<熱電材料> 熱を電気に変換できる材料で、「ビスマス・テルル」など一般にはなじみが薄い金属が多い。熱を加えると高温部と低温部ができ、その間に電圧が生じて電気が流れる特性を持つ。発電の際に振動や騒音を出さず、二酸化炭素(CO2)も排出しないなどメリットがある。しかし、高価だったり、毒性がある物質が多く、実用化例は少ない。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013061202000122.html