HOME |電力9社が株主総会、原発再稼働に理解求める 脱原発株主提案は否決(各紙) |

電力9社が株主総会、原発再稼働に理解求める 脱原発株主提案は否決(各紙)

2013-06-26 13:16:08

東京電力の株主総会に詰めかける個人株主
東京電力の株主総会に詰めかける個人株主
東京電力の株主総会に詰めかける個人株主


沖縄電力を除く9電力は26日、一斉に株主総会を開いた。原発の新規制基準の施行が7月8日に近づき、政府も原発再稼働にかじを切っている。関西、四国、九州、北海道の4電力会社が早期の再稼働に意欲を表明。関電では八木誠社長が2年連続の赤字決算を陳謝し、電気料金値上げに理解を求めた。筆頭株主の大阪市は、速やかな原発全廃などを株主提案した。議決は午後になる見通しで、株主側の提案はいずれも否決される公算が大きい。

 昨年実質国有化され、経営再建中の東京電力の総会は午前10時から、東京・渋谷の代々木第1体育館で始まった。議長を務める下河辺和彦会長は冒頭、「福島第一原発事故で今なお、多大なご迷惑をおかけしており、深くおわびする。当社は福島復興こそが再生の原点だ。事故の責任を全うし、一日も早い経営の立て直しに努める」とあいさつした。

関西電力の総会は午前10時から神戸市のワールド記念ホールで開始。出席者の増加を見込み、本社がある大阪を初めて離れ、5600人を収容できる同ホールで開いたが、出席者は過去最多だった昨年の3分の1だった。株主である大阪市の橋下徹市長は昨年、質問に立ったが、今回は出席しなかった。

四国電力の株主総会は高松市内の本店で午前10時に始まった。所有する伊方原発(愛媛県伊方町)は、原子力規制委員会が過酷事故への対策を義務化した新規制基準に、比較的対応ができているとされる。四電は7月にも、規制委に3号機の再稼働を申請する方向で検討している。

出席株主は前年を109人上回る296人。総会が年1回開催となった1978年以降、過去2番目に多かった。所要時間は2時間12分で、前年の2倍近くを要した。

 総会は午前10時に開始。千葉社長は、今後の経営ビジョンとして「環境適合」「地域共生」「未来創造」の3点を挙げた上で、伊方原発の必要性を指摘した。説明に対し、松山市の女性株主は「事故を考えれば大変不安。再稼働はやめてほしい」と主張。坂出市の男性株主は「世論の動向は原発廃止に向かっている」と述べ、脱原発と自然エネルギーの活用を求めた。


 中国電力の株主総会も広島市中区の本社で午前10時から開始。山口県上関町で上関原発の建設計画を進め、島根原発(松江市)は3号機増設で本体の建設工事がほぼ終了。2号機で新規制基準に対応した工事を始めており、早期の再稼働申請を目指している。

 同電力の筆頭株主である広島県は、株主総会を欠席し、議決権行使書を白紙で提出した。行使書には「白紙の場合、会社提案に賛成、株主提案に反対の意思表示があったものとして取り扱う」とのただし書き付きで、中電経営陣に白紙委任した形だ。

 1993年から毎年「脱原発」の株主提案をしている「脱原発へ!中電株主行動の会」は、今年も島根原発の廃炉や上関原発建設計画の白紙撤回などを求める議案を提案した。代表世話人の溝田一成さん(63)=広島市佐伯区=は「株主の中で、原発をやめてほしいという声を増やしたい」と話した。

 

 

 

http://mainichi.jp/select/news/20130626k0000e040168000c.html