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関西電力の送電線談合 関電自体が200人関与 業者側にOB29人 「関電ぐるみ談合」の構図明るみに 公取委、61社に課徴金(毎日)

2014-02-01 11:45:32

関西電力が発注した送電線設備工事の談合の構図
関西電力が発注した送電線設備工事の談合の構図
関西電力が発注した送電線設備工事の談合の構図


関西電力が発注した送電線設備工事を巡り、200人近い関電社員が受注業者の談合に関与した疑いがあることが公正取引委員会への取材でわかった。入札前に非公開の予定価格を教えたり、予定工事の一覧などの内部資料を渡したりしたとみられる。公取委は31日、「談合を助長、誘発した」として談合防止策を講じるよう関電に申し入れた。

また、公取委はこの日、受注業者76社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、うち61社に総額23億7000万円の課徴金納付、73社に再発防止を求める排除措置を命じた。

公取委によると、鉄塔間の空中に張る「架空送電線」と地中に埋める「地中送電線」について、関電は設置や補修の工事ごとに、技術力などの基準を満たした複数の業者による指名競争入札をしている。

 

関電社員は、入札前に開く指名業者を集めた現地説明会で業者に予定価格を教えたとされる。業者側は予定価格に基づいて落札業者と入札価格を決め、後日の入札に参加していた。

 

どの業者を指名するか業者側に相談した社員もいたとされ、談合への関与は本店、支店などほぼ全ての発注窓口に広がっていた。業者側の談合担当には関電OBも29人いた。うち14人は関電社員から直接、予定価格を聞いていたという。

 

こうした行為は、公務員なら官製談合防止法違反に当たる可能性もあるが、民間の関電社員は同法の適用対象外だ。受注側の談合を規制する独禁法にも抵触しない。

 

公取委は2012年11月、今回の談合疑惑で立ち入り検査をした。関電も内部調査中という。関電側は公取委に「社員は入札価格が安いと工事の質に影響すると考え、談合に関与した」と釈明しているとされる。

 

一方、公取委が談合を認定したのは09年4月以降の工事1329件(受注総額約294億円)。関電グループのかんでんエンジニアリング、きんでん(東証1部)の他、栗原工業、住友電設(同)の計4社=いずれも本社・大阪市=については、談合から抜けようとした業者に継続を求めたなどとして、課徴金を1・5〜2倍にした。

 

電気料金は人件費、設備投資費などのコストに電力会社の利益を上乗せする「総括原価方式」で決まる。談合で工事費が高止まりすれば、電気料金として国民の負担になる。関電の八木誠社長はこの日の定例会見で「誠に申し訳なく、心よりおわびしたい。再発防止策に取り組む」と語った。

 

送電線設備工事を巡っては昨年12月、東京電力発注分でも公取委が談合を認定、東電社員2人が談合を容認していたとされた。【林田七恵】

 

http://mainichi.jp/shimen/news/20140201ddm001040171000c.html

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