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数土東電次期会長インタビュー:料金値下げは「経営者の責務」 そのために「原発再稼働 」と強調 (時事)

2014-02-18 23:48:32

インタビューに答える数土文夫・東京電力次期会長=18日午後、東京都千代田区
インタビューに答える数土文夫・東京電力次期会長=18日午後、東京都千代田区
インタビューに答える数土文夫・東京電力次期会長=18日午後、東京都千代田区


4月に東京電力会長に就任するJFEホールディングスの数土文夫相談役は18日インタビューに応じ、日本の電気料金が海外と比べて割高なことについて、「少しでも挽回するのは電力会社の経営者の責務だ」と述べ、将来的な値下げに意欲を示した。数土氏は具体的な水準には言及しなかったが、「余裕があれば1円でも2円でもというのは当たり前だ」と強調した。

 

インタビューの主なやりとりは次の通り。

◇賠償と廃炉が一番

-会長として取り組みたいことは。
福島第1原発事故の損害賠償と原発の廃炉が一番。これをやりながら電力の安全、安定供給をやる。そのために障害になっているのは、福島県の方々の東電に対する信頼が原発事故で失われてしまったことだ。いろいろ足りないところはあるけれど、東電社員は懸命に誠実にやってきた。廃炉の安全な工程と実施、それから賠償で最後の一人まで誠実な対応をすることをベースにして、質の高い電力を安定的に供給することに尽きる。(就任直後に)機会を与えていただいたら、福島県知事、13市町村の首長にあいさつに行きたい。4月1日は私自身、緊張感を持ったスタートにしたい。
-政府が1月に認定した新たな総合特別事業計画(再建計画)で収支改善の切り札に位置付ける柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に際し、地元自治体の理解をどのように得ていくか。新会長自身、対話に臨む考えはあるか。
徹底的に原発の安全を追求し、地元の十分な理解を得たい。原子力規制委員会から原発が安全だと認めてもらい、(政府が近く閣議決定を目指す)エネルギー基本計画等々をみて、執行の最高責任者である広瀬直己社長とよくよく話をして、その対処方法は決定されなければならない。

◇「再稼働なしで値下げ」困難

-新会長は、日本の電気料金が国際的に見て高いことを問題視している。12年に電気料金をいったん引き上げたが、原発が再稼働すれば、値下げが期待されている。
電力はエネルギー基本政策のなかの根幹そのものだ。このコストを下げていくことは経営者の責務だ。企業は経営努力をし、その努力した分をステークホルダーに返すのは当然だ。東電の新再建計画のキーワードは「責任と競争」。東電にとって一番のステークホルダーは、損害賠償を要求しておられる方、その次はユーザーだ。
-電気料金の値下げを目指すか。
経営者はいろんなシナリオを持っていないとだめだ。黒字化に向けて必死の思いで挑戦し、値下げの体制をつくるということが大事だ。日本の電気料金は、米国、韓国の3倍も高い。これを少しでも挽回していかなければならない。それが電力会社の経営者の責務だ。取締役全員の思いだ。競争のないところには経営上の進歩はない。
-値下げをしないと産業全体の地盤沈下につながりかねない。
もう実際にそうなってると思う。12月の貿易収支、経常収支は膨大な赤字だった。このまま放置していいわけがない。それについて電力会社は非常に大きな責務がある。
-12年に値上げした分を元に戻すのか、それ以上に下げるのか。
余裕があったら1円でも2円でも(下げる)というのは当たり前だ。上げた分だけ元に戻すということではなく、鉄鋼メーカーでも自動車業界でも余裕があればあるだけ顧客に還元するのは当然だ。(のは当たり前だ」と強調した。

 

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2014021800794

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2014021800738