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南三陸町職員遺族公開質問状 「重く責任感じる」町長(河北新報)

2011-09-06 12:52:35

東日本大震災の津波に襲われ、宮城県南三陸町の防災対策庁舎で犠牲になった職員の遺族会「南三陸町殉職職員家族会」(牧野駿代表)が提出した公開質問状に、佐藤仁町長が5日、回答した。「犠牲となった職員には、重く責任を感じる」としながらも、当時の判断に誤りはなかったことを示した。
 

質問状は、6メートルの大津波警報が出た時点で防災計画に基づき、職員に3階建て防災対策庁舎からの避難指示を出さなかった理由などをただした。

 回答で佐藤町長は「5.5メートルの防潮堤があり、6メートルの津波が来ても市街地は1~2メートルの浸水で防御できると考えた」などと説明。「6メートルの津波が襲来しても、高さ12メートルの防災対策庁舎の屋上に避難すれば、生命を十分守れると考えた」と答えた。

 佐藤町長は5日の定例記者会見で「職員は町民の安全を守るため計画に基づき行動した。当時の判断は間違っていないが、町長として職員を守れなかった責任はある」と述べた。防災対策庁舎からの避難については「津波到達予想時刻がすぎており、避難途中で津波に巻き込まれる恐れがあったので難しかったと思う」と語った。

 牧野代表は「回答には納得できない。職員の死に責任を感じるなら職を辞するべきだ」と話した。家族会では回答を精査した上で、再質問などの対応を検討する。

http://www.kahoku.co.jp/news/2011/09/20110906t11027.htm