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市販の放射線測定器、性能不良品多し 国民生活センター調べ(FGW)

2011-09-08 19:40:20

ちゃんと測れていますか?
国民生活センターは、「3・11」東京電力福島第一原子力発電所事故以来、一般に出回っている放射線測定器の性能について、その性能をテストし、結果を発表した。それによると、調査対象となった市販品(1万円以上10万円未満)の商品はいずれも自然放射線を正確に測定できなかったほか、セシウム137由来のガンマ線測定試験では、対象品には一応の相関がみられたが、ばらつき誤差も大きく、正確な測定はできなかった、としている。

ちゃんと測れていますか?




同センターが放射線測定器を調査したのは、放射性物質漏れによる環境、農作物、食肉、水等への汚染の懸念が消費者の間に広がっており、個人が機器を購入して自ら測定するケースが増えているため。センターのPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク)でも、事故以来、放射線測定器の性能や測定結果についての相談が391件、寄せられている。自ら購入した測定器の計数をみて、過剰に反応したりする事例もあるという。

そこでセンターでは、国内で販売されている9銘柄の個人向け測定器と、参考品として校正済みの1銘柄を比較対象した。その結果から、センターは、今回の調査対象となった測定機器では、食品や飲料水などが暫定規制値以下かどうかの正確な測定ができないと指摘、そうした目的で購入したり使用することは避けるべきだとしている。

また機器を販売している事業者に対しては、当該の機器では環境中に存在する微量の放射線を測りきれないことと、食品・飲料水等が規制値以下かどうかの判定もできないことを、製品に明記するよう要請した。また機器によっては、放射線を正確に測定できないものがあったことから、当該の事業者に対しては、機器の改善を要請した。また販売広告に際しても、消費者に誤解を与えないような表示・広告をするよう要望した。

もっとも、こうした機器が消費者の間で売れるということは、行政が公開している測定データに対する信頼が薄いという現実がある。国民生活センターは「公表されているデータ等を参考にし、測定器の示す値を直ちに信頼することは避ける」と消費者に求めているが、「公表されるデータ等」が信頼できるのかどうかも、迅速に調査すべきだろう。

センターの調査結果は以下の通り。

自然放射線の測定試験



  • 参考品を除く9銘柄は通常の環境程度以下の自然放射線を正確に測定できなかった。


セシウム137由来のガンマ線測定試験



  • 参考品を除く9銘柄は、照射線量率と測定値に相関がみられたが、総じて正味値が低く、ばらつきも誤差も大きいため、正確な測定はできなかった。


表示



  • 販売サイトの広告には汚染検査に使用できることを期待させる表示が見られたが、取扱説明書等には、放射線に関連する業務での仕様を目的としているものが多かった。

  • インターネット通信販売サイトには、放射線を正確に測定できる旨の表示が見られたが、4銘柄は仕様に記載のある誤差範囲を超えていた。


PSEマーク



  • 2銘柄で充電器にPSEマークの表示がなく、プラグの栓刃に穴がなかったため電気用品安全法に抵触するおそれがあると考えられた。


(注)PSEマークとは、電気製品が安全性を満たしていることを示すマーク。Product+Safety+Electrical appliance & materials の頭文字をとっている。

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110908_1.html