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五島列島での浮体式風力発電で余剰電力から「プレミアム水素」製造へ 環境省、今年から実施(長崎新聞)

2015-01-05 16:21:49

浮体式洋上風力発電
浮体式洋上風力発電
浮体式洋上風力発電


五島市椛島(かばしま)沖で進む環境省の浮体式洋上風力発電実証事業で、余った電力から水素をつくる取り組みが今年から始まる。

島外に運ぶほか、水素を燃料とした車や船に活用する。実現すれば、送電設備が整っていない離島の再生可能エネルギー事業に可能性が広がりそうだ。

市再生可能エネルギー推進室によると、海上に設置した風車は最大出力2メガワット。しかし椛島(人口約150人)の送電線に流せる電力は最大600キロワットしかなく、それ以上発電しても島内では使用できない。

計画は2014年度と15年度の2カ年。生み出した電気を使って水を水素と酸素に分ける「電気分解」の要領で水素を取り出す。その後トルエンと反応させ、液体の状態でドラム缶に保管。こうすれば余剰電力のエネルギーを備蓄でき、送電網を介さず輸送できる。

このほか、水素を燃料にした車や小型船を導入することも計画。小型船は、風車の点検などに活用できないか検討している。

新しいエネルギーとして水素の注目が集まる中、市は化石燃料を使用しない再生エネ由来の「プレミアム水素」として発信したい考え。野口市太郎市長は「水素をエネルギーとして活用できれば新たな道筋を見いだせる。環境に優しい『五島産の水素』となれば、地域振興の鍵にもなるはずだ」と期待を込める。

浮体式洋上風力発電実証事業は11年度から取り組んでいる。最大出力100キロワットの小規模試験機や同じく2メガワットの実証機を設置。実用化に向けたデータ収集などをしてきた。


 

 

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2015/01/05091655016166.shtml