HOME |次世代原発の「高温ガス炉」実用化の産官学協議会、トヨタなど26社・機関参加(日刊工業) 「安全性」が売り物。黒鉛火災対策がカギ |

次世代原発の「高温ガス炉」実用化の産官学協議会、トヨタなど26社・機関参加(日刊工業) 「安全性」が売り物。黒鉛火災対策がカギ

2015-04-20 10:16:10

超高温炉の構造図、図はヘリウム冷却型のもの
超高温炉の構造図、図はヘリウム冷却型のもの
超高温炉の構造図、図はヘリウム冷却型のもの


次世代原子炉「高温ガス炉」の実用化戦略の策定を目的に今月発足する予定の産学官協議会に、トヨタ自動車や新日鉄住金など26社・機関が参加する見通しとなった。

 

原子炉・燃料メーカーだけでなく、自動車メーカーなどが参加し、高温ガス炉による製造が見込まれる水素の利用者側の声を交えた議論を行う。利用用途や海外展開などの実用化像、研究開発の工程、各機関の役割などを検討し、年内をめどに取りまとめる。

 

次世代原子炉と水素社会実現の両面を担う可能性のある開発が動き出す。

 




 参加を予定するのは、東芝、三菱重工業などの原子炉メーカー、トヨタ、日産自動車など燃料電池車(FCV)をコアに将来の水素社会実現を目指す自動車メーカー、水素ステーションを提供する岩谷産業、水素プラント製造を担う日揮、千代田化工建設や大学、関連省庁など。


 

2030年頃の実用化を目指す高温ガス炉は、固有の安全性を持ち、水素製造などの多様な熱利用が期待される原子力技術。燃料は直径0・9ミリメートルの球状で耐熱温度1600度C超のセラミックスで覆い、耐熱温度2500度Cの黒鉛構造材に収める。

 

冷却手段を失っても、黒鉛構造材が熱を吸収し、圧力容器の外に放熱する。燃料温度は1600度Cに至らず、炉心溶融しないという。
核反応で生まれる熱を取り出す冷却材にはヘリウムを使う。化学反応しにくく水素爆発などが起きない。高温でも安定しているため、950度Cの高温熱が作り出せる。この熱を使うことで、発電と同時に熱分解による水素製造などが見込まれる。

 

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820150420aaay.html