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電気料金原価、6千億円高く見積もり 東電、10年間で(FGW)

2011-09-29 22:00:03

報道各紙によると、東京電力が電気料金算定の根拠とする費用見積もり(燃料費などを除く)は、実際の使用費用よりも、過去10年間合計で約6千億円も高く設定されていることがわかった。政府の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」の調査で判明したもので、その分、消費者が高く負担させられていたことになる。



 電気料金の自由化は段階的に進められてきたが、家庭用野電気料金は対象外となっており、電力会社が毎年、年間にかかる電力会社の人件費や燃料費、さらには修繕費などの費用原価を事前に見積もり、その上に一定の利益を上乗せして決定している。総括原価方式と呼ばれる。

 ところが政府が作成を進めている報告書案によると、毎年見積もりが過大で、過去10年合計すると総額6186億円分も、実績を上回っていた計算になるという。報告書案はそうした誤差が生じた原因の一つとして、修繕費の見積もりが甘く、実績よりも1割ほど毎年過大に計上されていたことを明らかにしている。

 報告書案は実績が見積もりより小さかった点は、経営効率化による前向きな修正ではなく、「そもそも届け出時の原価が適正でなかったと推察される」と指摘している。東電の企業体質を表す「誤差」といえる。ただ、報告書は誤差分を消費者にどう返済するかについては触れていないようだ。