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災害時に風力発電で浄水場に電力供給、秋田市で稼働 全国初の試み。地域インフラとしての再エネ利用のモデルに(各紙)

2015-06-17 13:23:31

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各紙の報道によると、災害で停電した際、風力発電の電源で浄水場に電力を供給、生活インフラを守る仕組みが、全国で初めて秋田市で稼動した。16日、完成式が行われた。自然エネルギーを活用する再エネ発電の利点を生かした取り組みといえる。


 非常時に威力を発揮する風力発電は、秋田市の山中に設置された秋田国見山第2風力発電所(秋田市豊岩、下浜地区)。日立パワーソリューションズ(茨城県日立市)の施工。出力1870kWの風車を4基備えると同時に、市内の豊岩浄水場に大容量の蓄電設備を設置し、連動させることにした。

 

 風力発電で発電した電力は、普段は東北電力に全量を売電するが、停電時には送電先を同市の豊岩浄水場に切り替える。浄水場は鉛蓄電池に充電しながら電気を利用でき、少なくとも1週間程度の電力を賄える。実際の浄水場での風力発電電気の利用は10月からの予定。

 

 自然エネルギーの再エネ発電は、発電量が変動するため、蓄電設備の導入が課題となっている。秋田のケースは、蓄電設備を浄水場のほうに設置して連携することで、生活インフラとしても活用することにしたわけで、地域インフラとしての期待も高い再エネ発電の新たな利用法ともいえる。

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 豊岩浄水場は秋田市内に5カ所ある浄水場の一つ。市民の約18%に相当する約5万8000人に給水している。しかし、東日本大震災の際には、同浄水場も約15時間停電して、取水ポンプなどがストップ。一時は、断水寸前となった。この反省から、震災後に予備電源としてディーゼル発電機を設置するとともに、風力発電を代替電源とした。


 風力発電所は日立グループ系のくろしお風力発電(日立市)と秋田市、地元金融機関などが設立した秋田国見山風力発電が運営する。総事業費は約30億円。


 16日に開いた完成式典で、鎌田潔副市長は「水の供給は市の使命で、非常時にも電気の供給が受けられるようになり課題が一つ解決した」と

述べた。

 

豊岩浄水場の敷地内にある鉛蓄電池。非常時には代替電源になる
豊岩浄水場の敷地内にある鉛蓄電池。非常時には代替電源になる

 

http://www.hitachi-power-solutions.com/index.html

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150617_43014.html