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大王製紙 製紙工程の廃棄物利用した再エネ発電を事業化。FITで販売。200億円投資、年60億円の収入見込む(各紙)

2015-11-01 01:50:54

daiouキャプチャ

 各紙の報道によると、大王製紙は製紙工程で出る植物性の廃液を利用した再生可能エネルギー発電所を建設する。総投資額は約200億円の見込み。

 

 再生可能エネ発電を行うのは、主力工場である三島工場(愛媛県四国中央市)。製紙工程で出る植物性樹脂成分の「黒液」と呼ぶ廃液を原料として発電する。同社はこれまでも、同廃液を石炭、廃プラスチックなどと混焼して、自社の生産設備稼働用の電力として発電し、余った分は外部に販売してきた。

 

 新規建設する発電所は、6万KWの発電容量。植物性樹脂が原料なのでバイオマス発電として、固定価格買い取り制度(FIT)の対象となる。これにより大王製紙は、年間60 億円の収入を確保するとしている。2018年度以降に稼働の予定。

 

 今回の三島工場での新規発電所建設によって、大王製紙の発電能力は、グループ全体で1割弱増えて70万kWに拡大する。建設資金には9月に発行した新株予約権付社債(転換社債)で調達した資金の一部として約90億円を充て、あとは自己資金や借り入れでまかなう。

 

 国内の紙・板紙市場は縮小が続いている。日本製紙連合会によると、15年の国内の紙・板紙需要は14年比0.9%減の2718万トンと、5年連続で減少する見通しだ。今後も大きな回復は見込めない。

 

 こうした環境下で、大王製紙は需要が堅調なコピー用紙や包装用紙の生産量を増やすなど、本業の強化を図るとともに、売電事業を新たな収益源に据えて、収益確保を目指すとしている。

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