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経済学史学会の福島開催断念 反論続出 異例の再審議(河北新報)こんな“学会”は不要!

2011-10-27 12:57:30

来年度の全国大会を福島大で開催することにしていた経済学史学会(代表幹事・栗田啓子東京女子大教授)が、開催地の選定をめぐり、思わぬ混乱に陥っている。学会は9月、「福島第1原発事故の収束が不透明だ」などとして、会場を北海道の大学に変更することを決めたが、会員からは「風評被害を助長する」などの反論が続出。学会は11月の本年度大会などで、あらためて開催地を審議することにした。
 経済学史学会は1950年設立で、会員は経済学史、社会・経済思想史の研究者ら約700人。
 本年度の全国大会は、もともと今年5月に福島大で開かれる予定だったが、東日本大震災のため会場を京都大に移して11月に開くことにした。福島大での開催は、来年度の全国大会とする方針を固めていた。

 ところが、7月の臨時常任幹事会で、原発事故の収束の遅れや福島市内に放射線量が高い場所があることを理由に、来年度大会の福島開催を断念。9月末、小樽商科大に会場を変更する案について全幹事の了承を得た。

 これに対し、会員からは「過剰反応だ。社会的影響や住民への配慮が欠けている」「屋内にいれば、線量はほとんどゼロだ」などと、来年度大会の福島開催を求める声が相次いだ。

 栗田代表幹事は会員へのメールで「大きな余震が起きた場合に原発がどうなるか、懸念せざるを得ない」「放射線の長期的な影響が明らかになっておらず、結果に責任を負えない」などと補足説明。同時に京都大での本年度大会前日に開かれる幹事会で来年度大会の開催地を再審議し、総会でも議論をすることを会員に約束した。

 栗田代表幹事は河北新報社の取材に「学会の責任者として大会を無事に開くことを最優先に考えた。総会でも議論を深め、総会での決定を尊重したい」と話している。

 被災地のある会員は「会場を変更すれば、学術団体が『福島は人が住めない』と判断したことになる。風評被害を助長し住民を傷つけていいのか。懸命に生きている住民を支える学会であってほしい」と話している。

http://www.kahoku.co.jp/news/2011/10/20111027t75015.htm