HOME |津波から浦安守る森 “緑の堤防”造り始まる(東京新聞) |

津波から浦安守る森 “緑の堤防”造り始まる(東京新聞)

2011-12-19 11:47:04

土砂を混ぜた土塁に苗を植えて緑の堤防造りに取り組む親子連れ=千葉県浦安市で
東日本大震災で市域の85%が液状化被害を受けた千葉県浦安市で十八日、津波対策として液状化で噴出した土砂を利用した“緑の堤防”造りが始まった。同市高洲の高洲海浜公園で、噴出土砂を盛った土塁に小学生らが樹木の苗を植えた。

土砂を混ぜた土塁に苗を植えて緑の堤防造りに取り組む親子連れ=千葉県浦安市で




 土塁上に森を造る緑の堤防は、地震による津波被害を軽減する効果があるとして、横浜国立大の宮脇昭名誉教授が推奨している。堤防造りには市立高洲、高洲北両小学校の児童と父母、近隣自治会員など約五百人が参加。東京湾に面した同公園の海岸沿い約七十メートルに、噴出土砂約六百三十立方メートル、コンクリート片などがれき約三百五十立方メートルで高さ最大二メートルの土塁を造り、タブノキやスダジイ、アラカシなど二十種類の苗を植えた。苗は二、三年で二メートルほどに成長するという。

 高洲小四年の斉藤藍さん(10)は「木を植えたことがなかったので自然を学ぶため参加した。自分が植えた木が浦安を守ってほしい」と話していた。

 宮脇氏は「世界で初めての試み。ノウハウを生かして、岩手県から東京湾まで緑の堤防がつなげられれば」と話していた。

 市内では液状化で約七万五千立方メートルの土砂が噴出し、処分に困っている。市は来年度以降、事業を本格化させ、将来的には東京湾沿いを緑の堤防で守る考えだ。 (林容史)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011121990094629.html