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復興、春待つ古里 震災間もなく1年、陸前高田を空撮(岩手日報)

2012-03-01 14:24:51

雪に覆われた更地が広がる陸前高田市の市街地。手前の高田高第2グラウンド仮設では多くの被災者が生活する=29日午前11時17分、陸前高田市
今日から3月。東日本大震災から間もなく1年となる。県内沿岸の津波被災地では、仮設店舗の開設など復興に向けた動きが出ているが、今もがれき処理が続き、居住地や働く場の確保など課題は多い。29日、県内最大となる1800人超が犠牲になった陸前高田市を本社特別機から撮影。市街地には真っ白な空き地が広がり、復興が本格化する前の静けさを強調していた。被災者が震災前の生活を取り戻すにはまだ時間がかかりそうだ。

(文は陸前高田支局・鈴木多聞、写真は報道部・菊池範正)

 市内は通行車両を除いて人けがなく、幹線道以外の細い路地は除雪されていない。無数にあった建物の土台は撤去が進み、例年にないほどの雪で覆われた更地が広がっていた。

同市内のがれきは推計約92万トン。生活の場からはほぼ撤去され、仮置き場への搬入が98%となったが、隣接する大船渡市の太平洋セメントでの焼却やリサイクルなどに回った処理済みの量は9%にとどまっている。

 街の名残をとどめる市民体育館や市役所、キャピタルホテル1000などの施設は今後解体する予定。浸水した市街地は海抜5メートルまでかさ上げした上で再生するが、5年程度と見込まれる高田松原防潮堤の整備終了が条件となる。今はようやく防潮堤を仮復旧した段階だ。

 津波の爪痕の深刻さに比例して長期化する復興に対し、市民からは人口流出を懸念する声も上がる。市は2012年度にかけて、災害公営住宅の建設や被災市街地の区画整理、高台移転先の確保、雇用の確保などを急ぐ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120301_3

雪に覆われた更地が広がる陸前高田市の市街地。手前の高田高第2グラウンド仮設では多くの被災者が生活する=29日午前11時17分、陸前高田市