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鳴り響くサイレン、浜に緊張 悪夢よぎる長い揺れ(岩手日報)

2012-03-15 12:17:11

大船渡市役所に避難してきた地元住民ら=14日午後6時35分ごろ(東京新聞より)
大船渡市役所に避難してきた地元住民ら=14日午後6時35分ごろ(東京新聞より)


1年前と同じような長い揺れに、再び浜に緊張が走った。三陸沖を震源とする14日の地震で一時、津波注意報が出された本県沿岸部。「逃げろ」。住民たちはサイレンが鳴り響く夜の闇の中、高台へと避難した。被災地の多くは東日本大震災で地盤が沈下し、防潮堤も壊れたまま。「無防備」なまちに「あの日」の悪夢が頭をよぎる。避難場所に身を寄せた親子連れやお年寄りは「もうたくさん」と漆黒の海を見やった。

 【陸前高田市】市消防本部と消防団は海沿いを避け、高台など安全な場所で自動車や市民の避難誘導に当たった。計約340人、消防車34台が出動。浸水区域に建てられた竹駒町の仮設店舗街などを巡回、サイレンを鳴らし避難を呼び掛けた。

 東日本大震災以降、安全確保して避難誘導することになっており、その後、団員らは浸水区域を避け、避難可能な場所で誘導に当たった。消防団気仙分団の吉田和史副分団長(52)は「海や川の近くに団員を向かわせるのは抵抗感がある。堤防も十分でないので油断できない」と気を引き締めた。

 【大槌町】午後6時15分に避難指示を発令。大槌の大槌高では次々と車で避難する住民の姿が見られ、教職員が駐車場整理に追われた。小鎚の城山公園体育館には、浸水区域に仮庁舎がある町職員103人と住民15人が避難。碇川豊町長は「10分以内に避難することができた。被害は出なかったが、やはり津波は怖い」と気を引き締めていた。

 http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120315_2