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東芝製汚染水処理設備(ALPS) また機能せず、原発の汚染水処理を停止 再三の試運転中断で、東芝の製造物責任浮上(FGW)

2013-09-28 22:45:28

東京電力福島第1原発の多核種除去設備(ALPS)内部の機器=4月
 

東京電力福島第1原発の多核種除去設備(ALPS)内部の機器=4月
東京電力福島第1原発の多核種除去設備(ALPS)内部の機器=4月


東京電力によると、福島第一原発の汚染水処理の切り札として期待されている東芝製の汚染水処理設備「多核種除去設備(ALPS)」が、またも試運転中に不具合が発生、一日も持たずに、処理作業を停止した。ALPSはこれまでも再三、試運転を試みてきたが、随所に不具合が見つかり、機能していない。同設備が機能しないため汚染水を貯蔵する急ごしらえのタンクが増加、漏えい事故を相次ぎ引き起こす原因となっている。

ALPSは東電が発注し、昨年3月から一年がかりで完成させた。ところが、4月に始めた試運転で、タンクの腐食による水漏れトラブルが発生した。その後、原因究明と修理のため、8月初旬まですべての運転を停止して、腐食防止のゴム処理などをしたうえで、今回の再始動となっていた。

 

ところが27日午後10時40分ごろ、設備の一部で、薬剤による放射性物質の除去に伴い発生する泥の排出量が通常よりも大幅に少なくなったため、操業を再び中断し、東電が原因を調べている。

 

ALPSは東芝が鳴り物入りで開発した福島原発事故処理のための特別の装置。A〜C系の計3基ある。A系は6月にタンクの腐食による水漏れトラブルを起こしている。今回の不具合はC系統。試運転再開から停止までに処理した汚染水は、たったの100トン分だけだった。

ALPSは、放射性トリチウムは除去できないが、汚染水に含まれる多くの種類の放射性物質のほか、有機物などを除去すると宣伝されている。ところが、これまでのところ、ほとんど機能せず、また、マグネシウムやカリウムなどのアルカリ性金属も取り除かれることになっている。東電の発注で東芝が受注、昨年3月から建設を開始し、約1年かけて完成させた。ただ、東電は建設費用について「契約上答えられない」としか回答していない。

東電はALPSの購入費用を明らかにしていないが、数十億円から百億円はかかるのではとみられている。膨大な費用を払いながら、ほとんど機能しないALPSのため、汚染水処理計画全体が行き詰まり状態に陥っているため、東芝の製造物責任を問う声もあがっている。東芝は事故を起こした福島第一原発の3号機を製造、2号機と6号機もGEと共同製造、さらに5号機は独自に製造している。原発事故の製造物責任を問う声も国際的にも強まっている。原発を主要業務に据えている東芝の技術・開発力への疑念が高まっている。

 

http://www.toshiba.co.jp/index_j3.htm