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国定公園初の地熱発電 秋田に最大7万キロワット (各紙)

2012-09-06 10:38:19

栗駒国定公園
各紙の報道によると、国立・国定公園の中で規制を緩和して地熱発電所の建設を認める第1弾の事業が、秋田県湯沢市の「栗駒国定公園」になることが固まった。政府は出光興産と国際石油開発帝石が手がける3万~7万キロワットの計画を許可する方針。両社は今秋にも掘削を始める。政府は2013年度に地元温泉業者などへの補助金を創設し、地熱発電の全国展開を後押しする。

栗駒国定公園




 政府は太陽光、風力に続く電源として地熱を重視している。気象条件に左右されやすい太陽光や風力より出力が安定しているメリットもある。




 政府は今年4月の行政刷新会議で、生態系などへの配慮から規制してきた国立・国定公園での地熱発電の開発を全国5カ所で認める方針を示した。このうち秋田県湯沢市の小安地域で、7月に自治体などが建設に合意。温泉法による開発許可を近く出す見通しだ。




 政府は地熱開発に着手した自治体や温泉業者向けの補助金も創設する。13年度予算の要求で地熱の蒸気を使った暖房や融雪、農業への熱供給向けに約30億円を盛り込む。「地域共生予算」と位置付け、掘削調査で出る熱によるビニールハウス農業や魚の養殖などのまちづくりを支援する。自治体や温泉業者、第三セクターが対象となる。




 地熱発電を研究する大学や民間企業にも15億円規模の開発補助制度を初めてつくる。世界でトップレベルにある日本の開発技術の輸出も目指す。




 「地熱大国」といわれる日本で、潜在的な地熱発電による出力は世界第3位の2347万キロワット。ただ、既存設備の能力は約54万キロワットにとどまる。温泉地を中心に湯量の減少や観光への悪影響を危ぶむ声は根強い。