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日本原子力機構 高速増殖炉「もんじゅ」の点検不備問題で、「重要機器終了」と 虚偽報告(FGW)

2013-02-08 13:00:11

鈴木篤之日本原子力研究開発機構理事長
鈴木篤之日本原子力研究開発機構理事長
鈴木篤之日本原子力研究開発機構理事長


日本原子力研究開発機構が運営する高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)において多数の機器が点検時期を超過していた問題で、原子力機構が、発覚後に「早急に点検を済ませた」としていた重要機器55点のうち、5点は点検を終了していなかった、ことがわかった。

 機器点検の手抜きに加えて、改善作業の虚偽報告が明るみに出た形だ。原子力機構は「確認が不十分だった」と謝罪したうえで、点検未了だった5点については、非常用ディーゼル発電機や冷却材のナトリウム流量計などで、いずれも現在は使っていないため安全上の問題はないとしている。しかし、重要機器であることに代わりはなく、保守点検自体は法律に基づくもので、点検終了していないものを、「終了した」と報告すること自体、法律違反であることに変わりはない。

もんじゅの保守管理問題の不備については、昨年12月に原子力規制委員会から措置命令を受け、1月末までに点検改善と、点検遅れの原因究明と再発防止、原因の組織的課題等について委員会に報告することを義務付けられていた。

同機構の鈴木篤之理事長は年初に、「求められている点検調査に万全を期す観点から、担当理事にもんじゅに常駐して現場で陣頭指揮を執るように指示するなど、特別体制を組んだ。もんじゅは、とくに社会的に注目されており、そのことを忘れることなく、緊張感をもって期限までの報告を完遂しなければならない」と決意を語ったが、結果的に、ごまかしが露呈してしまった。

鈴木理事長は、内閣府の旧原子力安全委員会委員長から機構の理事長に”天下り”しており、その責任能力が問われる事態といえる。