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鳥取市内の不正投棄の放射性廃棄物 撤去や処分 目途立たず(共同) 法規制の盲点 どこでも起き得る懸念にもかかわらず 官庁は消極的

2013-02-08 17:02:17

放射線レベルの高い廃棄物が見つかった現場をシートで覆う作業員=1月30日、鳥取市岩倉
放射線レベルの高い廃棄物が見つかった現場をシートで覆う作業員=1月30日、鳥取市岩倉
放射線レベルの高い廃棄物が見つかった現場をシートで覆う作業員=1月30日、鳥取市岩倉


1月末に鳥取市内の山中で相次いで放射線レベルの高い廃棄物が見つかった問題で、処分方法を定めた法律がないことが障壁となり、撤去や処分の目途が立っていないことが7日、分かった。鳥取県は処分場の確保などを含めて原子力規制庁や文部科学省、環境省と折衝しているが、各省庁とも根拠法がないため関与に消極的。平井伸治知事は、自らの担当範囲を決めて責任を押し付け合う各省庁の対応を批判しており、8日にも規制庁を訪問し早期処分を訴える。

県生活環境部によると、不法投棄の産業廃棄物が見つかり犯人が特定できない場合、廃棄物処理法に基づいて県や市町村が処分を行う。しかし、同法では「放射性物質を除く」となっており、同法を所管する環境省は処分方法を示していない。

 放射性物質の取り扱いを定める法律としては、規制庁が所管する原子炉等規制法と、文科省が所管する放射線障害防止法がある。原子力発電所などから排出される廃棄物は規制法に基づいて管理され、産業・医療系の放射性廃棄物は防止法に基づいて処分される。

 県が両省庁に相談したところ、今回の廃棄物は原子力関係ではなく線量も低いため、規制庁は「(自治体による)自主的な処分の範囲内」と回答。文科省は、今回の廃棄物からは防止法で規定する人工系の放射性物質が検出されていないことなどを理由に「規制庁と相談してほしい」と回答したという。

 同部の中山貴雄部長は「早く撤去したいが、県が勝手に動かすわけにもいかないし、処分先もない。国は責任を持って処分方法を示すべき」と訴える。

 省庁が押し付け合う態度に、平井知事は7日の会見で「はざまにポカッと落ちてしまうケースであり、法の不備」と指摘。国に対して今回の廃棄物の速やかな撤去を求めると同時に、放射線を帯びた廃棄物の処理方法を定めるよう求めていく考えを示した。

http://www.nnn.co.jp/news/130208/20130208010.html