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震災被災地(宮城県)での人権侵犯589件(2012年)、震災前上回る 仙台法務局調査(河北新報) 「絆」の亀裂深刻

2013-03-03 12:16:19

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fukushimann20130209a1a-870x489仙台法務局は2012年に受け付けた宮城県内の人権侵犯事件の状況をまとめた。救済手続きに着手したのは589件。東日本大震災の影響で事件数が大幅に減った前年の反動もあって267件(82.9%)の大幅増となり、震災前の10年(440件)も上回った。
 同局は「震災の影響で深刻な内容が増えている。時間の経過とともにフラストレーションを抱え、隣人とのトラブルや家庭内でのいさかいが増えた」と分析した。
 震災絡みの人権侵犯事件は14件、寄せられた相談件数は131件に上った。相談は家族や近隣でのトラブル、住居や財産に関する内容が7割を占めた。「震災で避難してきたが、息子が学校で同級生から暴力をふるわれる」といった事案もあった。

 
 事件の種類別では「住居・生活の安全」に関連した人権侵犯事件は114件で、前年の3倍超となった。仮設住宅での騒音などに起因する隣人同士のトラブルは85件に上り、前年に比べ64件(304.7%)増えた。

 
 「暴行・虐待」は172件で、全体の29.2%を占めた。前年比は38件(28.3%)増。女性や子ども、高齢者、障害者が被害者となるケースが約9割に上った。
 学校での人権侵害も目立った。「教職員による体罰」は38件で、22件(137.5%)増。男子教諭が授業に遅れた男子生徒の頭を手でたたいたり、踏みつけたりした例があった。

 
 「いじめ」に対する学校側の不適切な対応による人権侵害は、前年から2件増えて46件。相談件数は102件増の398件となった。大津市の中2男子自殺などが契機となり、相談が増加したとみられる。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130303t11020.htm