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環境省 北海道「えりも地区」での 絶滅危惧種ゼニガタアザラシの漁業被害問題 殺処分見送りへ (各紙)

2013-05-15 16:45:09

絶滅危惧種なのに殺処分されそうになっているアザラシ
絶滅危惧種なのに殺処分されそうになっているアザラシ
絶滅危惧種なのに殺処分されそうになっているアザラシ


各紙によると、環境省は、北海道えりも地域で漁業被害が起きている絶滅危惧種のゼニガタアザラシ問題について、地元漁業関係者から出されていた調査捕獲(殺処分)による個体数管理の中止を決めた。当初は、同省も捕獲による被害軽減を狙ったが、効果を示す科学的データが不足しているなどとして方針転換した。

 この方針に対して、環境保護団体は絶滅危惧種を守るためには当然の措置と評価しているが、地元の漁師らは「現実に被害があるのだから捕獲すべきだ」と反発している。

 

えりも地域では現在約600頭のアザラシが生息し、同地の観光資源となっている一方で、地元漁業関係者が受けるサケ定置漁業の被害額(11年度)は襟裳岬周辺だけで約3000万円あるという。

 

このため地元関係者は、環境省に対して、捕獲処理を要請した。これを受けて同省は、2012年4月、保護管理計画を策定する検討会を設置し、今年度までに、40頭を上限に刺し網と銃による調査捕獲や音波による追い払い実験などを決めた。しかしその後、捕獲によって漁業被害が減少するという因果関係が十分立証されていなことなどから、絶滅危惧種の殺処分には慎重な姿勢をとることになった。

 えりも町で開かれた説明会で環境省の担当者は、「絶滅危惧種として保護してきたものを減らすには慎重を期す必要があり、捕獲の効果を明らかにしなければならない」と関係者らに説明した。しかし、地元漁師らからは「我々の事は誰が考えてくれるのか」と憤りの声が上がった。

一方、海で泳いでいるアザラシらは、ホッとした表情を浮かべた、との指摘もある(本当か?)。よく考えてみると、同地のサケ資源が人間のものであると決めたのは人間の勝手であり、アザラシたちは何万年もの昔からこの地でサケや海の幸を食べてきたことを忘れてはならない。

 

 

http://mainichi.jp/select/news/20130515k0000m040126000c.html