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宮城県・亘理町での復興ハウス事業 基礎の鉄筋不足 手抜きか(?) 埼玉のコンクリート業者調査へ(河北新報)

2013-05-19 12:18:08

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ichigo1242910771東日本大震災で被災した宮城県亘理町の復興事業として、町がイチゴ農家の営農先確保のため整備している「いちご団地」の大型ハウスの一部で、設計より鉄筋量が少ないコンクリート製基礎が使われていることが18日、分かった。町は強度の面で問題があると判断。補強も含め、対応を検討する。ことし8月の完成予定が遅れ、秋の初定植に間に合わない可能性もある。

町によると、問題の基礎が確認されたのは、40戸ほど参加する「浜吉田1団地」(大型ハウス40棟)と10戸ほど参加する「開墾場1団地」(同11棟)の一部ハウス。情報提供を受けて今月中旬、両団地に搬入され、埋める直前のコンクリート基礎計11個を調べたところ、全て設計より鉄筋の量が少なかった。

 
この基礎は約75センチ四方で、ハウス側面の太い鉄骨を支える。1棟につき約100個が使用される。通常、長さ60センチ前後の鉄筋が縦横8本埋め込まれるが、11個には45センチ前後の鉄筋しかなかった。
町は「基礎は強度の計算に基づき設計している。鉄筋が少なければ、ハウスは構造上もたない」と説明する。

 
基礎はアサヒコンクリート(埼玉県宮代町)が両団地の施工業者に約6000個を納入。町が昨年12月に同社を視察した際は正規の鉄筋が使われていた。町に対し同社は「(鉄筋量が)間違いだった」と認めているという。

 
納入した基礎のうち、どれだけの基礎が不正だったかは不明。町は既に完成したハウスの基礎も掘り起こして調査し、補強などを検討する。
ハウス建設費は「浜吉田1団地」で27億3000万円、「開墾場1団地」では約8億円。

 
いちご団地は、町が復興交付金を活用して町内3地区5工区の計68ヘクタールに大型ハウスなどを整備。被災した農家104戸が参加し、イチゴはことしのクリスマスシーズンの初出荷を目指す。

 
両団地でハウス完成が遅れることも予想され、参加農家でつくる町いちご団地管理組合の森栄吉組合長は「全組合員が足並みそろえて営農を始められるよう、予定通りに工期を終えてほしい」と求めた。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/05/20130519t11012.htm