HOME |「放射線におびえる日々は平和と言えない」 福島の高校生たちが長崎の原爆式典で 原発事故の「今」を伝える (東京) 「あやまちは繰り返しませんぬ」と 誓ったはずだが・・・・ |

「放射線におびえる日々は平和と言えない」 福島の高校生たちが長崎の原爆式典で 原発事故の「今」を伝える (東京) 「あやまちは繰り返しませんぬ」と 誓ったはずだが・・・・

2013-08-09 22:01:56

爆心地公園で犠牲者の冥福を祈る、福島県から選ばれた高校生平和大使の吉田有沙さん(中央)=9日午前、長崎市の平和公園で
爆心地公園で犠牲者の冥福を祈る、福島県から選ばれた高校生平和大使の吉田有沙さん(中央)=9日午前、長崎市の平和公園で
爆心地公園で犠牲者の冥福を祈る、福島県から選ばれた高校生平和大使の吉田有沙さん(中央)=9日午前、長崎市の平和公園で


「被災地の復興と平和への願いを世界に発信したい」。長崎市の市民団体が選ぶ「高校生平和大使」に、昨年に続いて東京電力福島第一原発事故で避難した高校生が選ばれた。復興が進まない悔しさを胸に、原爆の惨禍を乗り越えた長崎を訪れ、九日の平和祈念式典に出席した。


 「放射線におびえる日々は平和と言えない」と訴える福島県立小高工高三年の吉田有沙(ありさ)さん(17)は、原発事故で同県浪江町の自宅が警戒区域になった。「事故直後は情報がなかった。とにかく『逃げてください』とだけ言われた」。避難した集落は町内で最も線量が高かったと後に知った。県内を転々とし、今年一月から南相馬市の借り上げ住宅で家族と暮らす。




 七月、二年四カ月ぶりに訪れた故郷の町は雑草が生い茂り、がれきが放置されていた。「町はあの日のままだった。帰りたいけど、帰れる状態じゃない」。荒れ果てた家を間近で見て、悲しみが込み上げてきた。




 保育士を目指す吉田さん。「放射線はいつ影響が出るか分からない。将来福島に子どもが戻ってくるだろうか」と不安も抱くが「過去にしてはいけない。忘れられつつある被災地の今を伝えたい」と前を向く。




 「高校生平和大使」には今年、「ユース(青年)非核特使」という新たな肩書が加わった。高校生平和大使は毎年、長崎市の市民団体が選出。今年は十二都道県の計二十人だが、被爆地の実態を世界に伝える若い世代の語り部として、政府が初選出した特使にも任命された。




 吉田さんら平和大使二十人は、二十日にスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪問して核廃絶を求める署名を届け、平和への思いをスピーチする。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013080902000229.html