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平和首長会議:長崎・広島で被爆した樹木の種、世界へ (毎日)

2014-01-03 18:10:35

長崎原爆で焼け焦げながら、苗木を生み出してきた長崎市若竹町の被爆柿の木=海老沼正幸さん提供、2012年12月ごろ撮影
長崎原爆で焼け焦げながら、苗木を生み出してきた長崎市若竹町の被爆柿の木=海老沼正幸さん提供、2012年12月ごろ撮影
長崎原爆で焼け焦げながら、苗木を生み出してきた長崎市若竹町の被爆柿の木=海老沼正幸さん提供、2012年12月ごろ撮影


核兵器廃絶への意識を各地で向上させようと、国際NGO「平和首長会議」(事務局・広島市、加盟158カ国・地域)が2014年度から長崎、広島の原爆で被爆した樹木の種や苗木を、世界中の加盟国・地域の5831都市に順次配布する。柿の木、アオギリ、クスノキなどの2世の植樹は草の根的に広がっており、3世の植樹活動もスタート。植樹が多くの人たちに核兵器廃絶の意識を芽生えさせると考え、世界に活動を広めていく計画だ。

 ◇核廃絶の願い乗せ 14年度から


 

12年5月にオーストリア・ウィーンで開かれた平和首長会議の役員会で、会長の松井一実・広島市長が、日本国内で被爆樹木の種や苗木を送る運動が広がっていることを報告。同会議でも取り組めないか提案したところ、田上富久・長崎市長も同市内の被爆クスノキの植樹活動を紹介、同意した。各国役員も賛同。昨年8月、広島市での総会で正式決定した。

計画では、広島、長崎以外の14役員都市(ドイツ・ハノーバー、英国・マンチェスター、ベルギー・ブリュッセル、メキシコ市、米国・アクロンなど)を中心に4月以降に配布し、その後に他都市にまで拡大させる。配られる樹種は未定だが、アオギリやイチョウ、クスノキ、柿の木などが候補に挙がっている。送付などにかかる事業費数十万円は広島、長崎両市が負担するが、詳細は今後詰めるという。

配布先の気候や検疫など、今後配慮が必要だが、各役員都市は受け入れに前向きで、会議関係者は「被爆樹木を育て、日常的に触れることで、平和や核兵器廃絶の意識を深めてほしい」と意気込んでいる。【下原知広】

 

http://mainichi.jp/select/news/20140103k0000e040158000c.html