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山形県・最上小国川ダム、小国川漁協が受け入れ(山形新聞) 漁協だけが河川の権利者ではないはずだが

2014-06-09 13:13:02

ダムによる治水対策受け入れを決めた小国川漁協の総代会=最上町・旧瀬見小
ダムによる治水対策受け入れを決めた小国川漁協の総代会=最上町・旧瀬見小
ダムによる治水対策受け入れを決めた小国川漁協の総代会=最上町・旧瀬見小


最上町の赤倉温泉上流に県が建設を予定する最上小国川ダムに関し、小国川漁協(舟形町、高橋光明組合長)は8日、最上町の旧瀬見小で総代会を開き、県が示す流水型ダム(穴あきダム)による治水対策を受け入れる議案を賛成多数で可決した。

同漁協は一貫して建設に反対してきたが今回、方針転換を決断した。漁協の同意を得たことで、県の建設計画は大きく前進する。

非公開で行われた総代会には、委任状も含め110人が出席。退席者を除く103人で無記名投票を行った結果、賛成57票、反対46票だった。総代会後、報道陣の取材に高橋組合長は「この結果を近く県に報告する。今後について理事会で協議したい」と述べた。

採決前に、高橋組合長が賛否双方の立場から要望書が寄せられていることを報告し、総代から質疑、意見を受け付けた。出席者らによると「組合員が一致団結し(県が治水対策と併せて示す)内水面漁業振興策に取り組むべきだ」とする賛成意見のほか、反対の立場から「流域住民の安全、安心を守るならダムより護岸改修が先だ」との声も上がったという。

同漁協は今後、県とダム工事に伴う漁業権補償に関する協議を行う方針で、県が提示する補償案を再び総代会に提案する。定款では「漁業権に関する事項は『特別決議』として、総代の2分の1以上が出席し、その3分の2以上の多数による議決を必要とする」と規定しており、補償案可決には3分の2以上の賛成を得る必要がある。

建設容認とした結果を受け、県に建設を要望してきた高橋重美最上町長は「長年の懸案がようやく前進した。漁協とも協力し、町の施策として流域振興に取り組みたい」と述べた。早坂義範赤倉温泉町内会長は「大雨のたびに洪水を心配し、不安な夜を過ごしてきた。これでひと安心した」と話した。

一方、建設に反対する「最上小国川の清流を守る会」は同日、記者会見を開き、草島進一共同代表や熊本一規明治学院大教授らが「総代会の決議には法的拘束力はない」と主張。今後も反対運動を続ける意向を示した。

http://yamagata-np.jp/news/201406/08/kj_2014060800203.php