HOME |中部電力 原発立地4県の知事候補に裏金 神田前愛知県知事 授受を一部認める (各紙) |

中部電力 原発立地4県の知事候補に裏金 神田前愛知県知事 授受を一部認める (各紙)

2014-07-22 00:18:41

中部電力からの資金受け取りを一部認めたという神田真秋前愛知県知事
中部電力からの資金受け取りを一部認めたという神田真秋前愛知県知事
中部電力からの資金受け取りを一部認めたという神田真秋前愛知県知事


浜岡原発を抱える中部電力の元役員が、原発立地などを有利にするため、愛知県など管内4県の県知事選候補者に対して、建設会社に工面させた裏金から計約3000万円を手渡したと証言したと、朝日新聞が報道した。このうち愛知県の神田真秋前知事は、朝日の取材に対して、金銭授受の一部を認める発言をしているという。

 

同紙によると、証言した元役員は中部電で政界工作を長年担当していたという。裏金工作は、2004年までの約20年間に少なくとも2億5000万円を取引先の建設会社などに工面させて簿外で管理し、政界対策に充てたと証言。建設会社などへの見返りとして、調達した資金分を原発工事などを業者に発注する際、発注額にその分を上乗せして戻していたという。結局は、工作資金分は電気料金に上乗せされ、利用者に負担分を押し付けていたことになる。

 

元役員は、愛知県知事選挙で神田氏が初当選した1999年と再選した2003年の知事選告示前に、愛知県内にある神田氏宅を訪問して、現金300万円と500万円を本人に直接手渡したという。神田氏は当時、地元有識者から電力事業のあり方を聞く「中電懇話会」のメンバー。神田氏は1992年2月に与野党相乗りの形で愛知県知事に初当選した。その後、2011年2月まで3期知事を務めた。。2011年2月6日に行われた知事選では自らの後継として、自由民主党の擁立候補の支援を表明したが、前衆院議員の大村秀章氏が当選した。

 

朝日によると、神田氏は「金額は記憶にないが、1回は受け取ったと思う。99年という印象がある。03年の記憶ははっきりしない」と授受の一部を認めた上、「電力事業に関する依頼はなかった」と強調、便宜供与を図ったことはないと否定した。

 

元役員は神田氏だけでなく、1980~2000年代に中部電管内の愛知、岐阜、静岡、三重の4県であった各知事選で、候補者の親族、選対幹部らに1回200万~500万円を手渡し,総額約3000万円をばらまいたという。中には、候補者の側から資金を要請されたこともあったという。元役員は「知事にそっぽを向かれたら電力事業が立ちゆかない」と政界工作を広く行ってきた背景を語っている。

 

朝日によると、中部電力広報部は「(裏金については)承知していない」と回答したという。また神田氏以外の他の知事選候補や選対幹部らは「知らない」「記憶にない」などと答えている。